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Microsoftが新しいインストーラーを導入、ストアアプリをWebから導入するステップを削減

手軽さ、セキュリティ、並列インストール対応の面でも有利

Web版「Microsoft Store」で、クリック回数を削減した新しいインストーラーが導入

 Web版「Microsoft Store」で、クリック回数を削減した新しいインストーラーが導入されているとのこと。MicrosoftでPrincipal Architectを務めるRudy Huyn氏が、自身のX(Twitter)アカウントで明らかにしている。

 「Microsoft Store」は同社が提供しているアプリストアで、OSに同梱されている「ストア」アプリのほか、「apps.microsoft.com」からも利用できる。

 今回改善されたのは、「apps.microsoft.com」からストアアプリをインストールする方法だ。従来は以下の手順を踏む必要があり、クリック数が多すぎると指摘されていた。

  1. 「apps.microsoft.com」の製品詳細ページで[インストール]をクリック
  2. Webブラウザーがダイアログを表示するので、ディープリンク(アプリのインストールリンク)を「ストア」アプリで開くことを許可する(チェックボックスをONにすれば、2回目以降は不要)
  3. 「ストア」アプリのミニウィンドウでもう一度[インストール]をクリック
  4. 内部でインストーラーが実行される
従来のプロセス。[インストール]ボタンを2回押す必要がある

 2つ目の[インストール]ボタンが必要なのは、悪意あるスクリプトが不正なディープリンクで「ストア」アプリを開こうとしていないことをチェックするためだ。

 一方で、今回導入された新しい仕組みは以下の手順となる。

  1. 「apps.microsoft.com」の製品詳細ページで[インストール]をクリック
  2. インストーラーのダウンロードが始まる
  3. ダウンロードしたインストーラーを実行する
新しいプロセス。最初に[インストール]ボタンを押すと、インストーラーがダウンロードされる。このインストーラーはMicrosoftが独自にアプリをパッケージしたものだ

 ディープリンクを介して「ストア」アプリを起動し、ミニウィンドウを開く処理は新しいインストーラーに組み込まれているので、ユーザーは2度目の[インストール]ボタンをクリックする必要はなくなる。ほかにも、以下のメリットが得られる。

  • 「ストア」アプリのミニウィンドウより、新しいインストーラーの方が軽量で高速に起動する
  • 「ストア」アプリが何カ月も更新されていない場合でも、最新のインストーラーがWebから直接ダウンロードされる
  • 万が一システムから「ストア」アプリがアンインストールされていても動作する
  • 「ストア」アプリは一度に複数のアプリをインストールできないが、新しいインストーラーは並列化をサポートしており、複数のアプリを同時にインストールできる

 つまり、「ストア」アプリと新しいインストーラーは切り離されているため、新しいインストーラーは「ストア」アプリの制限をうけなくなり、インストールの手順が簡素かつ手軽なものになる。

 この新しいストアアプリケーションのインストール方法をテストしたところ、インストール数は平均で12%、インストール後に起動されるアプリケーションの数は54%増加したという。

 とはいえ、インストーラー(EXEファイル)を直接ダウンロードしてユーザーに実行させるという手順は、アプリストアで管理されていない、所謂「野良アプリ」と変わらない。なかには「ストア」アプリのミニウィンドウを介してユーザーにインストールさせる方が安心感が得られると考える開発者もいるだろう。その場合は、起動モードを以下の3つのうち「Direct」以外に設定しておくとよい。

  • Popup:ミニウィンドウを介したインストール
  • Full:「ストア」アプリの製品詳細ページが開く
  • Direct:新しいインストーラーを利用する方法
新しいインストーラーはオプトアウト(拒否)も可能

 また、新しいインストーラーは「.NET Framework 4.7.2」(WPF)を利用しているとのこと。「ストア」アプリをサポートしている環境であれば標準でインストールされているため、ランタイムの欠如を心配する必要はない。