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AIがフローを説明、Excel機能も強化 ~デスクトップ版「Power Automate」の2024年4月更新

人間がマウスやキーボードで行っていた定型操作を自動化するRPAツール

「Power Automate Desktop」

 米Microsoftは4月30日(現地時間)、デスクトップ版「Power Automate」(Power Automate desktop)の2024年4月アップデート(バージョン 2.43)を発表した。本バージョンでは、以下の新機能と改善が導入されている。

UI要素のコレクション(プレビュー)

 「Power Automate desktop」はデスクトップアプリやWebページからテキストフィールドやボタン、リンクといった操作可能なユーザーインターフェイス(UI)を取得・キャプチャーし、その操作を「デスクトップフロー」として自動化することができる。

 しかし、これまでのバージョンはデスクトップフローごと個別にUI要素をキャプチャーする必要があった。つまり、複数のデスクトップフローでまったく同じUI要素を操作していたとしても、それぞれにキャプチャーしなければならない。修正が必要な場合、すべてがやり直しだ。

 そこで、UI要素をグループ化し、複数のユーザー間で共有・再利用できるようにしたのが今回導入されたUI要素のコレクションだ。もし自動操作の対象となっているアプリケーションのUIが変更されても、UI要素が集中管理されていれば、一度の更新でそれに対応できるだろう。

UI要素のコレクション

「Copilot」でフローの説明を生成

 作成したデスクトップフローに概要を付与しておけば、後日参照したり、他のユーザーが見たときにわかりやすい。しかし、デスクトップフローを作成するたびに説明を考えるのは億劫でもある。

 そこで、「Copilot」で概要を説明する機能が追加された。ボタンを押すだけでデスクトップフローの内容をAIが読み取り、適切な概要をユーザーの代わりに考えてくれる。

「Copilot」でフローの説明を生成

 なお、この機能は職場または学校のアカウントでのみ利用可能。米国から展開される。

 そのほかにも、以下の機能が導入された。

  • ライセンスの自動請求:ライセンスを持たない組織ユーザーが「Power Automate Premium」ライセンスを必要とするとき、ボタンでライセンスを要求できるようになった。「Microsoft 365」管理センターのライセンス自動請求ポリシーが設定されていれば、ライセンスが自動で割り当てられる
  • SAPオートメーショングループに新しいアクション
  • 「Excel」用の新しいアクション。セルの並び替えやフィルタリングなどが可能
  • セレクタビルダーウィンドウをUIおよびWebアクションから開く
  • 「Power Fx」対応フロー用のアクションが追加
  • 「Python 3.4」がサポート

 デスクトップ向け「Power Automate」は、人間がマウスやキーボードで行っていた定型操作を自動化するRPAツール。現在同社のWebサイトから無償でダウンロード可能で、Windows 10ユーザーならば追加費用なしで利用できる。Windows 11には最初から含まれている。