ニュース

メリークリスマス! 「Ruby 3.4」が例年通りリリース

ブロックパラメーター参照「it」が利用可能に、デフォルトパーサーは「Prism」に

「Ruby 3.4」が例年通りリリース

 スクリプト言語「Ruby」の最新版「Ruby 3.4.0」が、例年通り12月25日に公開された。直後にバージョン表記のみを訂正した「Ruby 3.4.1」がリリースされている。

 「Ruby」は、まつもとゆきひろ(Matz)氏によって1993年に開発が始められたスクリプト言語。オープンソースで開発が続けられており、Webアプリケーションをはじめ、さまざまな用途・プラットフォームで採用されている。バイナリとソースコードは現在、公式のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows環境では「RubyInstaller for Windows」の利用が推奨されており、間もなく最新版がリリースされる見込みだ。

 最新リリースとなる「Ruby 3.4」では、以下の改善が実施されている。

  • ブロックパラメーター参照「it」が追加。「_1」とほぼ同じ動作をするエイリアス
    ブロック内から「ary」を参照するとき、よりわかりやすい「it」が使える
  • デフォルトのパーサーが「Prism」に。既存の「Bison」にあった問題点を解決し、ユーザービリティとメンテナンス性を向上
  • 「Socket」ライブラリのアップデート。「Happy Eyeballs Version 2」(RFC 8305)に対応
  • 「YJIT」がx86/x64とarm64プラットフォームで全面的なパフォーマンスアップ。メモリ使用量も削減
  • 「Modular GC」により、「Ruby」標準とは異なるガベージコレクター(GC)実装を動的にロードできる
  • 言語機能の変更
  • コアクラスのアップデート
  • 標準ライブラリのアップデート

 なお、破壊的な変更もいくつかあるので、アップグレードの際は注意したい。