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Microsoft、「Windows App SDK 1.7」をリリース ~MathML数式対応などの新機能

バッジ通知、OAuth 2.0認証、ウィンドウ管理などが簡単に

Microsoft、「Windows App SDK 1.7」をリリース

 米Microsoftは3月19日(日本時間)、ソフトウェア開発キット「Windows App SDK」の最新版「Windows App SDK 1.7」をリリースした。

 「Windows App SDK」(旧称:Project Reunion)は、Windowsデスクトップアプリケーションをターゲットとしたアプリ開発キット。モダンアプリ開発のためのUIパーツ「WinUI 3」、「Microsoft Edge」エンジンをアプリに組み込める「WebView2」などを含んでおり、開発プラットフォーム(C++/.NET、Win32、WinForms、WPF、UWP)を問わず「Fluent Design」に基づいたモダンなデスクトップアプリのUIを設計できる。

 OSの新機能を古いバージョンでも利用できるようにする後方互換性にも注力されており、新規のアプリ開発はもちろん、古いアプリのUIをモダナイズしたり、最新機能の一部だけを取り込んだりといった用途にも利用可能。

 本バージョンでは既存機能の改善や不具合の修正に加え、以下のように多くの新機能が導入されている。

  • バッジ通知:アプリアイコンに数字(1~99)やシステムが提供するグリフを追加。メールアプリの未読メール数やソーシャルメディアアプリの新着投稿数などのステータスを簡単に表現できる
  • CameraCaptureUI API:「CoreWindows」に依存したWinRTの「CameraCaptureUI」を「WinAppSDK」に移植。デスクトップ環境での利用が容易に
  • 新しい認証API:OAuthのベストプラクティスに沿った「OAuth2Manager」APIで、「OAuth 2.0」のアプリ実装を容易に
  • バックグラウンドタスク:新しい「BackgroundTaskBuilder」APIで、信頼済みCOMコンポーネントを直接バックグラウンドタスクとして登録
  • 新しい「TitleBar」コントロール:カスタマイズ可能なタイトルバーを簡単に作成。[戻る]ボタンを含めたり、検索ボックスを置いたりできる
  • 「MathML」のサポート:「RichEditBox」で「MathML」による数式表現に対応
  • ランタイムの強化:パフォーマンスと堅牢性の向上など
  • 新しい「AppWindow」API:タスクバーとタイトルバーのアイコンを個別に設定。タイトルバーの明暗テーマをコントロール。ウィンドウの高さの最大・最小を設定
  • 「ContentIsland」API:新しいホスティングシナリオをサポート。レンダリング機能を強化し、入力状態とアクセシビリティ状態の同期を改善

 「Windows App SDK」は「Visual Studio 2022」(推奨)または「Visual Studio 2019」に含まれており、.NETデスクトップ開発、C++によるデスクトップ開発、ユニバーサル Windows プラットフォーム開発の各ワークロードで利用できる。すでに利用している場合は、パッケージ管理システム「NuGet」でアップデートが可能だ。「Windows App SDK」(WinUI 3)に含まれるUIコントロールやその使い方は、「WinUI 3 Gallery」アプリで参照できる。ただし、まだ「Windows App SDK 1.7」には対応してないようだ。

「WinUI 3 Gallery」アプリ