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サードパーティCookieは“現状維持” ~Google、プライバシー サンドボックスの代替機能も断念

プライバシー保護を最優先にしたい場合は、シークレットモードを

同社のアナウンス

 米Googleは4月23日(現地時間)、「Google Chrome」の「プライバシー サンドボックス」とトラッキング保護に関する今後の方針を明らかにした。同社は2024年7月、「プライバシー サンドボックス」の導入を断念し、代替のプライバシー保護広告を模索するとしていたが、これも諦めたようだ。

 無料のWebコンテンツやサービスはサードパーティCookieなどを用いたターゲティング広告に支えられているのが実情だ。一方で消費者側がトラッキングを制御できず、事業者側がWebサイトをまたいでユーザーを追跡(クロスサイトトラッキング)し、過剰に個人情報を収集することが問題となっている。

 そこで、サードパーティCookieに頼らずともユーザーのニーズに沿った広告を表示できるようにしつつ、広告主にどのような情報が送られるのかをユーザーがチェックし、管理できるようにする方法――「プライバシー サンドボックス」もその一つ――が模索されていた。無料サイトの維持に必要な広告収益と、ユーザーのプライバシー保護のバランスを取るためだ。

「Chrome」の新規プロファイルで表示される案内

 しかし、「プライバシー サンドボックス」への賛同は広がらず、一方でプライバシー強化技術(PETs)の採用は加速し、AIを活用して人々の閲覧行動を保護する新たな可能性が生まれ、世界中の規制動向も大きく変化しつつある。そうした事情を総合的に考慮した結果、「Chrome」におけるサードパーティCookieの選択管理方法は“現状を維持”することが決まったという。

 「Chrome」でプライバシー保護を最優先にしたい場合は、シークレットモードが有用だ。シークレットモードでは既定でサードパーティCookieが無効化されており、2025年第3四半期には隠れたトラッキングを防止する「IP Protection」の導入も予定されている。同社はこれ以外にもセーフブラウジング、セーフティチェック、組み込みのパスワード保護、AIを活用したセキュリティ保護への投資を継続していくという。

プライバシー保護を最優先にしたい場合は、シークレットモードを