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サードパーティCookieの廃止は断念 ~Google、プライバシー サンドボックスで方針転換

プライバシー保護の“新しいアプローチ”を模索へ

Google、「プライバシー サンドボックス」で方針転換

 米Googleは7月22日(現地時間)、サードパーティCookieの廃止と「プライバシー サンドボックス」の導入に関し、方針を転換すると発表した。サードパーティCookieは廃止せず、代替のプライバシー保護機能を「Google Chrome」へ導入するという。

 サードパーティCookieなどを用いたターゲティング広告は無料のWebコンテンツやサービスの維持に欠かせないが、一方で消費者側がトラッキングを制御できず、事業者側が過剰に個人情報を収集しているとの指摘もある。そこで、サードパーティCookieの廃止を業界を挙げて進める一方で、その代わりとなる収益性とユーザーのプライバシー保護を両立した新しい広告の仕組みが模索されてきた。

 Googleも「プライバシー サンドボックス」(Privacy Sandbox)を提案して過去4年間にわたり開発とテストを継続し、フィードバックの収集に努めてきた。しかし、この移行にはまだ関係者による多大な作業が必要だという結論に至ったようだ。サードパーティCookieは当面の間、利用が継続される。

 同社は「プライバシー サンドボックス」のAPIを引き続き提供し、プライバシーと利便性をさらに向上させるために投資するとのこと。また、追加のプライバシーコントロールが追加されるほか、シークレットモードにIP保護機能を導入する予定。新しいアプローチに関しては、引き続きCMA、ICOおよび世界中の規制当局と協議を続けるとしている。