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Microsoft、「Ad Selection API」を提案 ~サードパーティCookieの非推奨化へ向け前進

無料コンテンツを維持できる収益性とユーザーのプライバシー保護を両立した広告の仕組み

「GitHub」で公開されている「Ad Selection API」の提案

 米Microsoftは3月5日(現地時間)、「Ad Selection API」を発表した。「Microsoft Edge」に限らないWeb標準のAPIとして提案されており、広告主やサイト運営者がサードパーティCookieをはじめとするクロスサイトトラッキング(Webサイトをまたいだユーザー追跡)に依存することなく、ユーザーの関心に合致した効果の高い広告を掲出できるようにする。

 サードパーティCookieなどを用いたターゲティング広告は無料のWebコンテンツやサービスの維持に欠かせないものだ。しかし、その一方で消費者側がトラッキングを制御できず、事業者側が過剰に個人情報を収集しているとの指摘もある。そこで、サードパーティCookieの廃止を業界を挙げて進める一方で、その代わりとなる収益性とユーザーのプライバシー保護を両立した広告の仕組み(プライバシー保護広告:PPA)のあり方が模索されている。Googleが提案する「Topics API」、「プライバシー サンドボックス」もその一例といえるだろう。

 Microsoftによると、「Ad Selection API」はK-匿名性の制約、差分プライバシーの使用、広告オークションプロセス全体でのユーザーデータの保護といった、堅牢なプライバシー保護が組み込まれているとのこと。また、CPUハードウェア支援によるデータ保護技術を活用した「高信頼実行環境」(TEE)のみを用いるのも特徴。これにより、より計算負荷の高いタスクをデバイス外(サーバーサイド)で処理できるが、処理中のデータを直接観察することはできないため、ユーザーのプライバシーが保たれるという。

 一方で、Microsoftは「Edge」におけるサードパーティCookieの廃止も進めていくようだ。廃止スケジュールは「Google Chrome」と比べても保守的だが、今後数カ月でドメインで管理されていないデバイスユーザーの1%未満を対象にサードパーティCookieの非推奨化の実験が開始され、2024年を通してその影響を測定・評価していくとのこと。より広範なロールアウトのタイムラインについては、後日共有される。それを待たずにすぐサードパーティCookieの非推奨化をテストしたい場合は、以下の試験フラグを有効にすればよい。

edge://flags/#test-third-party-cookie-phaseout

 なお、このフラグは「Edge」の設定(edge:///settings/content/cookies)でサードパーティCookieを無効化にした場合の挙動とは異なる点には注意したい。

試験フラグでサードパーティCookieの非推奨化をすぐにテストできる