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「OneDrive」にもAI音声概要、初期同期は3倍早く ~2025年春アップデート

画像に関する質問、ヒーローリンク、カラーフォルダーなど新機能盛沢山

同社のアナウンス

 米Microsoftは5月8日(現地時間)、「OneDrive」の2025年春アップデートを発表した。ファイル管理とコラボレーションを促進する次世代機能が多く導入されている。

Copilot in OneDrive

 まず、AIを活用した機能として音声概要、画像に関する質問、ヒーローリンクが導入された。

  音声概要(audio overviews) はファイルの内容をまとめ、音声として再生できるようにしたもの。Word文書やPDF、会議の議事録などをわずか数秒で魅力的なオーディオコンテンツに変換し、ドラッグ可能なフローティングプレーヤーでハンズフリー再生できる。

AIが生成した音声概要を、ドラッグ可能なフローティングプレーヤーでハンズフリー再生

 また、「Copilot」が「OneDrive」のテキストファイルだけでなく、画像ファイルも扱えるようになったのもうれしい改善点だ。 画像に関する質問 が可能となり、被写体を認識したり、テキストを抽出したりできる。

画像に関する質問

  ヒーローリンク(hero link) はファイル共有に関連する改善で、わずか数クリックでアクセス許可をアップデートできる。従来の共有リンクと異なり、すでに共有されたリンクのアクセス権もあとから調整可能で、『受け取った共有リンクにアクセスしたがコンテンツを開けなかった』といったトラブルを未然に防げる。

ヒーローリンク

 さらに、このヒーローリンクは「Copilot」と連携させることも可能。[Copilot]ボタンを押すだけでコンテンツの要約が作成・添付されるので、共有リンクを受け取ったユーザーはコンテンツにわざわざアクセスしなくても、その内容を一目で把握できるだろう。

共有リンクを受け取ったユーザーのために、AIでコンテンツの要約を生成・添付

「OneDrive」同期の新機能と改善

 加えて、基本となる同期処理にも引き続き多くの改善が施されている。

 まず、「Copilot+ PC」でセマンティックインデックス(semantic indexing)が利用可能となり、正確なファイル名を覚えていなくても、ユーザーの説明をもとにファイルを探し出せるようになった。

セマンティックインデックス

 [共有]ダイアログ ボックスの読み込みは最大で2倍速く、初回の同期処理は従来よりも最大で3倍も高速化されているという。

 そのほかにも、以下の改良が行われている。

  • Web版「OneDrive」で「オフライン モード」の展開
    インターネット接続がなくてもコンテンツを扱えるオフラインモード
  • 「macOS 15」以降で取り外し不可能なAPFS、File Vaultで保護された外部ドライブにファイルを保存できるように
  • Windows 11の「エクスプローラー」のホーム画面に[共有]ピボット。「Microsoft 365」で共有されたドキュメントにすばやくアクセスできる
  • 「エクスプローラー」の「OneDrive」コンテキストメニューを強化。「Copilot」でファイルを要約したり、便利なFAQを作成したりといった作業が行える
  • バックアップ機能(既知のフォルダー移動、KFM)の機能強化。デスクトップ、ドキュメント、画像フォルダーが自動的に「OneDrive」に同期されるため、コンテンツを失わないで済む
  • Web版でPDFに注釈・マークアップ。ブックマークや読書体験の調整(ダークモード・セピアなど)、ページの回転といった機能もサポートされる
  • 色付きのフォルダー。Windowsの「エクスプローラー」で展開中だが、モバイルアプリでもサポートへ
    モバイルアプリで色付きのフォルダーをサポート

 なお、ライセンスのない「OneDrive」ユーザーアカウントでポリシーの変更が行われているので注意。これは、会社や学校で管理されているライセンスにおいて、管理者がライセンスを割り当てまたは更新していない場合に発生するもの。

 ライセンスのない「OneDrive」アカウントが発生した場合、60日以上で読み取り専用に、93日後にアーカイブされる。エンドユーザーはアーカイブされた「OneDrive」ファイルにアクセスできず、管理者側での再アクティブ化が必要となる。アーカイブにもストレージ料金がかかるほか、再アクティブ化にもコストが発生するので注意したい。