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ローカル環境でも実行可能な翻訳特化型の国産フルスクラッチLLM「PLaMo翻訳」~個人は無償で商用可能
コードやMarkdown記法を含む翻訳にも対応
2025年5月28日 11:03
(株)Preferred Networks(PFN)は5月27日、PFNグループが日本語を入力・出力言語とするテキスト翻訳機能に特化してフルスクラッチ開発した大規模言語モデル「PLaMo翻訳」を、PLaMo Community Licenseのもとで公開した。専用サイトにて無償で試用可能で、個人(あるいは年商10億円未満の企業)であれば、Hugging Faceよりダウンロードして商用・非商用問わず、オンプレミス環境で無償利用できる。
「PLaMo翻訳」は、PFNグループがフルスクラッチ開発する国産LLM「PLaMo」のモデルのひとつ。特に英文和訳および和文英訳の質と精度が海外のモデルと比較して高くなるよう、両言語を高い比率で含む独自のデータセットで学習が行なわれている。
汎用のLLMはサイズが大きいため、多くの場合はクラウド利用が前提となるが、「PLaMo翻訳」は特化型で、サイズがコンパクトかつ計算効率の高い設計のため、オンプレミスやローカル環境での利用も可能。和英・英和は5,000文字まで対応し、英語以外の言語は2,000文字まで対応するが、執筆現在はベータ版のため、英語以外の言語の翻訳や指定された文体での出力に関して、意図しない結果となる場合があるという。
なお、今後は、各社が自社サービスと「PLaMo翻訳」を連携可能にするAPIも開発予定とのこと。
PLaMo翻訳の主な特長
- 自然で流暢な翻訳結果
翻訳結果が自然な流れとなるように学習されているため、長い文章でも理解しやすい流暢な翻訳を生成。また、最大英文8万字分の過去文脈を踏まえて翻訳するため、ですます調・である調などの文体の統一感や、語彙の一貫性が他社モデルと比較して高くなる - 原文に忠実な形式
会話文、ニュース記事、論文など原文の使われる状況を判断し、その状況に合わせた翻訳を行なう。また、原文のレイアウトやインデントが維持されるので、コードやMarkdown記法を含むテキストも元の形式を損なわずに翻訳可能 - コンパクトなサイズ
翻訳特化型でモデルサイズがコンパクトなため、一定条件を満たせばPCのローカル環境でも動作可能で、機密性の高い文書も安心して翻訳することができる。オンプレミス環境でも計算資源への負荷が比較的低くなっている
PLaMo翻訳の利用方法
- 専用サイトでの試用
専用サイトにインターネットでアクセスして無償で試用することができる。和英・英和は5,000文字まで、英語以外の言語は2,000文字まで対応。入力内容は今後のPLaMo翻訳の性能改善に利用されることがある - オンプレミス環境での無償利用
直近事業年度の収入または売上が10億円未満の企業および個人は、PLaMo Community Licenseのもと、Hugging Faceで公開されたPLaMo翻訳のモデルをダウンロードし、商用・非商用にかかわらずオンプレミス環境で無償利用することができる - オンプレミス環境での有償利用
年商10億円以上の企業はPLaMo翻訳を購入し、カスタマイズしたモデルを利用することができる。導入の際はPFNがインテグレーションをサポートし、ユーザー企業の用途・要望に応じてPLaMo翻訳のカスタマイズを行なう