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GPT-4を超える日本語精度の国産フルスクラッチLLM「PLaMo」無料トライアル開始、期間中は商用利用も可能

既存モデルをベースに用いず開発、商用版を今秋発売へ

国産フルスクラッチLLM「PLaMo」

 AIスタートアップの(株)Preferred Networks(PFN)は8月7日、子会社の(株)Preferred Elements(PFE)が開発する大規模言語モデル「PLaMo(プラモ)β版」のトライアルAPIの利用申込受付を開始した。本APIはアカウント発行後、法人・個人問わず、期間限定で無料で利用可能。期間中は商用利用も可能となっている。

 「PLaMo β版」は、既存モデルをベースに用いず、事前学習で合計2兆トークンの日本語と英語のテキストデータを学習させてフルスクラッチ開発した「PLaMo-100B」をベースにしたAIモデル。「PLaMo-100B」は、日本語性能を評価するベンチマーク「Jaster 0-shot」および「4-shots」において、「GPT-4」をはじめとした国内外の主要なLLMを超える高い日本語性能を記録している。

PLaMo-100Bは8月5日時点の社内評価数値(その他はGENIAC内での評価数値)

 今回の無料トライアルでは、PFEが「PLaMo-100B」をベースに指示学習やモデルマージを行ない、日本語・英語の文章生成能力をさらに強化。法人・個人問わず、チャット形式による日本語の対話や、アプリ開発のバックエンドへの導入を期間限定で試してみることができる。申込は専用フォームより受け付けており、利用期間は2024年10月までを予定している(日程の詳細は後日発表予定)。

「PLaMo β版」無料トライアルサイト画面

 同社は今後、トライアルの検証結果をふまえた改善や追加学習などを実施し、商用版の「PLaMo 1.0 Prime」を今秋に発売予定。提供開始に向け、製造業、素材産業、医療、金融、自治体などを中心に各分野特有の専門性を持つLLMとして、「PLaMo」の機能強化と安全性の検証を行なっていくとのこと。

 また、PFNが生成AIを活用してチャットボットや文書生成などの特定用途向けパッケージ製品群として提供する「PreferredAI」との連携や、外部ベンダーのAIサービスのバックエンドとしての提供も進めていくとしている。