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「Chrome」に搭載される10のAI機能、Googleが案内 ~生産性向上からセキュリティまで
日本への導入が近いものも
2025年9月19日 13:22
「Google Chrome」にはあらゆるレベルにわたりAIが組み込まれており、ユーザーのニーズを的確に予測し、複雑な情報を理解し、Web閲覧の生産性を高めながら、セキュリティを確保するために活用されている。米Googleが9月18日(現地時間)に公開した公式ブログの記事では、その取り組みが10個紹介されている。
「Gemini in Chrome」
生成AI「Gemini」を「Chrome」に統合した「Gemini in Chrome」は、閲覧ページのコンテンツを理解して適切な回答を引き出せるブラウジングアシスタントだ。言語を英語に設定した米国のWindows/Macユーザーに本日より展開される。
今後数週間以内には、エンタープライズグレードのデータ保護とコントロールが可能な「Google Workspace」経由で企業でも利用できるようになる予定。米国ではモバイルアプリ(iOS/Android)にも組み込まれる予定だ。
「Gemini in Chrome」のエージェント対応
さらに、「Gemini in Chrome」ではエージェント機能も導入される予定。ユーザーがやりたいことを「Gemini」に伝えれば、「Gemini」はそれを認識・分析し、ユーザーに代わりWebブラウザーを操作して、タスクを完了してくれる。ユーザーはその間、他のことに集中することが可能。もちろん、いつでも「Gemini」のタスクを停止することもできる。
「Gemini in Chrome」の複数タブ対応
「Gemini in Chrome」は閲覧中のタブだけでなく、そのほかのタブも理解可能。そのため、フライトの情報、宿泊候補のホテル、興味のある観光スポットなどを同時に開いた状態で「Gemini in Chrome」を利用すれば、それらを一つの旅程にまとめることができる。現在、言語を英語に設定した米国のユーザーに展開中だ。
「Gemini in Chrome」で以前にアクセスしたWebページを見つける
先週目にしたWebページへもう一度アクセスしたいが、ブックマークするのを忘れていた。履歴から探すのも大変……といった経験をしたことのあるユーザーは少なくないだろう。
「Gemini in Chrome」は履歴の検索も可能となり、しかもそれが自然言語で行えるようになる。覚えていることを「Gemini」に説明すれば、「Gemini」はそれをもとに目的のWebページを探してくれる。「Gemini」の履歴検索機能は近日中に提供される予定。
Googleサービスと統合された「Gemini in Chrome」
「Gemini in Chrome」は「Google カレンダー」や「YouTube」、「Google マップ」といったお気に入りのGoogleアプリと協力することも可能。動画サイトのタブを離れることなく、会議のスケジュールを設定したり、場所を確認するといったタスクを依頼できる。この機能は、言語を英語に設定した米国内のユーザーに展開中だ。
オムニボックスから直接「AI モード」で検索
「AI モード」(google.com/ai)は「Gemini 2.5」のカスタムバージョンを活用し、複雑な質問に対し一度で回答してくれる機能。たとえば『京都駅出発で6泊7日の旅行プラン』を調べたい場合、これまではユーザー自身が検索ワードを考え、何度も検索をかけながらルート選定やホテルの検索、価格の比較などを行う必要があった。しかし「AI モード」ならば、『京都駅出発で6泊7日の旅行プラン』をそのまま聞けばよい。ユーザーに代わり「Gemini」が適切な検索キーワードをチョイスして並行検索し、その結果をまとめてくれる。
この「AI モード」はオムニボックス(アドレスバー)からも利用できるようになる見込み。今月後半の米国(英語)を皮切りに、多言語展開される予定だ。
閲覧ページについて尋ねる
また、現在閲覧しているWebページについてオムニボックスから直接質問する機能も追加されるとのこと。すでにある「@gemini」コマンドとは異なる機能のようで、オムニボックスで提案される質問を選択すると、回答がサイドパネルに表示されるという。追加の質問もそこで行える。
この機能は現在、米国(英語)で利用可能。今後数週間以内に他の言語にも展開される。
「Gemini Nano」を詐欺対策に活用
「Chrome」に搭載されているセキュリティ機能「セーフ ブラウジング」では、3段階中最高の強度を誇る「保護強化機能」(初期設定は2番目の「標準保護機能」)で「Gemini Nano」が活用されている。ユーザーをだまして有害なアプリをダウンロードさせようとする、最近話題のサポート詐欺サイトなども特定可能だ。
この保護機能は今後も拡張される予定で、ウイルス感染を装ったり、景品が当たったなどと騙すサイトも阻止できるようになるという。
不要な通知や権限リクエストをブロック
「Chrome」にはスパム・詐欺通知を検出し、今後も表示するか、その場で解除するか決められる機能が導入されている。この機能が導入されたおかげで、Android版「Chrome」ではこうした通知が毎日30億件も削減されているという。
また、カメラや位置情報へのアクセスなどを要求するWebサイトにも警戒が必要だ。不要なアクセス権限を許可してしまうと、プライバシーの侵害などにつながる恐れがある。「Chrome」ではAIを活用してユーザーの好みを学習し、許可される可能性が低いと判断された場合、アクセス権限の要求が“煩わしくない方法で”提示されるようになる。