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「Google Chrome 141」が安定版に ~括弧の描画問題がようやく解決

「サイト分離」よりきめ細かいセキュリティ機能「オリジン分離」も段階的に展開

「Google Chrome」にアップデート。Windows環境にはv141.0.7390.54/55が展開中

 米Googleは9月30日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の安定(Stable)チャネルをアップデートした。Windows/Mac環境にはv141.0.7390.54/55が、Linux環境にはv141.0.7390.54が順次展開される。

新機能と改善

 「Chrome 141」における変更は比較的小規模で、新機能や改善の多くはエンタープライズ向けや開発者をターゲットとしたものだ。米国では「Gemini」アプリにアクセスできる「Google Workspace」ユーザーのほとんどを対象に、「Gemini in Chrome」が安定版として段階的に展開される。

 日本語ユーザーにも関係のある変更としては、以前から指摘されていた特定フォントで閉じ括弧と開き括弧が連続すると逆転して描画される問題が修正されたことが挙げられる。

閉じ括弧と開き括弧が連続すると逆転して描画される問題。「Teams」では継続中
「Chrome 141」では修正されている

 この問題は「Chrome」と同じ「Chromium」をベースとする他のWebブラウザー(「Microsoft Edge」など)や「WebView2」コンポーネントを用いたアプリ(「Microsoft Teams」など)にも影響するが、レンダリングエンジンが「Chrome 141」相当へアップグレードされれば、この問題は解決されるはずだ。

セキュリティの強化

 セキュリティ強化の一環として、従来の「サイト分離」(Site Isolation)をよりきめ細かくした「オリジン分離」(Origin Isolation)が「Chrome 141」より段階的に展開される。

 「サイト分離」はWebサイトごとに異なるレンダラープロセスを割り当て、万が一その1つが乗っ取られても、他に影響が及ばないようにするセキュリティ機能。「サイト分離」では『a.example.com』と『b.example.com』が同じプロセスで扱われることがあったが、「オリジン分離」ではオリジンごとに別のレンダラープロセスへ隔離されるようになる(つまり『a.example.com』と『b.example.com』が区別される)。

 ただし、扱うプロセスの数が増える関係で、「Chrome」全体のメモリ使用量とCPU利用率が若干増えてしまう可能性がある。そのため、セキュリティとパフォーマンスのバランスを考慮して、「オリジン分離」は4GB以上のメインメモリを搭載したデバイスでのみ既定で有効となる。

 なお、本バージョンで脆弱性の修正はアナウンスされていない。

 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows版は、Windows 10/11に対応している。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)にアクセスすれば手動でアップデート可能。アップデートを完全に適用するには、「Google Chrome」の再起動が必要だ。