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「ChatGPT」が業務ツールを直接活用、Slack、GitHub、Microsoft、Googleを接続、計画立案や振り返りが可能

複数の業務知識を横断検索し、根拠を示しながら網羅的に回答

OpenAI、「ChatGPT」の新機能「Company Knowledge」を発表

 米OpenAIは10月23日(現地時間)、「ChatGPT」の新機能「Company Knowledge」を発表した。「ChatGPT」を企業データと接続し、「GPT-5」ベースのAIモデルで複数のソースを横断した正確かつ網羅的な回答を実現するという。同日より、Business/Enterprise/Eduプランで利用可能だ。

 「ChatGPT」は優秀なAIチャットだが、蓄えている知識はあくまでも汎用的なものにすぎない。業務に特化させるには、会社に蓄えられた膨大なドキュメント、ファイル、メッセージ、メール、イシュー管理のチケットなどを参照できるようにする必要がある。MicrosoftやGoogleの業務サービスに知識を集中させ、「Copilot」や「Gemini」を活用するという手もあるが、すでに何年も使っているツールがあったり、どうしても必要なツールがMicrosoftやGoogleにはない場合は、それも難しいだろう。

 「Company Knowledge」は、そうしたニーズにこたえる新機能だ。「ChatGPT」を「Slack」や「Google ドライブ」、「SharePoint」、「GitHub」などの社用ツールと接続し、業務知識を「ChatGPT」に与えることができる。

 「ChatGPT」を「Company Knowledge」に接続するには、プロンプトの編集ボックス下にあるボタンを押す。初めて利用する際は、業務ツールとの接続処理が必要だ。接続が完了すると、サイドバーで「ChatGPT」がどんな業務情報を参照しているのかが確認できる。回答には明確な引用元(ソース)が表示され、信頼性が担保される仕組みだ。

「GPT-5」ベースのAIモデルが複数のソースを横断して検索し、根拠を示しながら正確かつ網羅的に回答

 「Company Knowledge」はあいまいな質問や明確な答えがない状況を想定し、同時に複数の検索を実行できるようになっているため、さまざまな視点が得られる。そのため、チームメンバーが異なる認識を持っている場合や、意思決定を下さなければならないケースに適している。日付フィルターを利用することもできるため、最新の情報だけでなく、第1四半期のことを尋ねるといったことも可能だ。

 また、「Company Knowledge」は業務知識を扱うという性格上、セキュリティとプライバシーにも格別の配慮がなされている。IT管理者によるコントロール(監査・規制)、ユーザーに権限のない情報へのアクセス防止、暗号化などの対策が取られているほか、デフォルトではOpenAIが企業データをAIモデルのトレーニングに用いないことも確約されている。

 現状、新しい会話を始めるときに手動で「Company Knowledge」を有効化しなければならない、有効化するとWeb検索や画像生成ができなくなるといった制限はあるが、これらは今後改善されていくだろう。同社は「Asana」や「GitLab」といった対応ツールの拡充にも努めるとしている。