Windows Insider Preview
起動不能OSを自動修復する「迅速なマシンの回復」は将来「Windows 11 Home」でも有効に
自分でトラブルシューティングできないユーザーにとって心強い存在に?
2025年4月7日 06:45
このコーナーでは、「Windows 11 Insider Preview」ビルドでテストされている最新のOS機能を紹介します。ただし、テストの結果、紹介した機能が製品版OSに搭載されないこともあります。あらかじめご留意ください。
先日Betaチャネルでリリースされた「Windows 11 Insider Preview」Build 26120.3653(KB5053658)には、「迅速なマシンの回復」(Quick machine recovery:QMR)というリカバリー機能が導入されている。この機能は何らかの理由でOSが起動不能になったとき、その障害を検出してOSの修復を自動で行い、ダウンタイムを最小限に抑えるというものだ。
この機能は「Ignite 2024」で発表された「Windows Resiliency Initiative」という取り組みの一環で、Windowsのセキュリティと回復力の改善を目指したもの。この取り組みには、OSを稼働させたままセキュリティパッチを充てる仕組み「Windows Hotpatch」なども含まれる。
Microsoftによると、「迅速なマシンの回復」は具体的に以下のプロセスで行われるという。
- デバイスをリカバリーモードにする:「Windows 11 バージョン 24H2」デバイスでOSの正常な起動を妨げる重大な障害が発生した場合、Windows回復環境(Windows RE)に入る
- ネットワーク接続の確立:イーサネットまたはWi-Fi保護アクセス(WPA)を利用してネットワークに接続し、デバイスがMicrosoftの回復サービスと通信できるようにする
- インシデント分析:Microsoft側でデバイスのクラッシュデータ分析を実施。広範な障害が検出された場合、即応チームが修復方法を開発・検証・準備する
- 改善策の展開:デバイスに設定された更新ポリシーに従って「Windows Update」経由で改善策を展開
「迅速なマシンの回復」は、最新バージョンの「Windows RE」を搭載した「Windows 11 バージョン 24H2」デバイスで利用可能になる。最終的には「Windows 11 Home」デバイスで既定有効になるという。自分でトラブルシューティングできないユーザーにとって、心強い存在となるだろう。
なお、「Windows 11 Pro」および「Windows 11 Enterprise」を実行しているデバイスでは、ローカル管理者とIT管理者の両方がこの機能をコントロールできる。診断情報が外部に送信されることを嫌う場合は、無効化できるというわけだ。
「迅速なマシンの回復」には、実際に障害が発生していなくても機能を試行できるテストモードも搭載されており、管理者権限の「コマンド プロンプト」から利用できる。以下のコマンドを実行し、OSを再起動するとテストモードで「迅速なマシンの回復」を利用可能だ。詳しい情報については、「迅速なマシンの回復」の解説ページを参照してほしい。
::テストモードを有効にする
reagentc.exe /SetRecoveryTestmode
::次回起動時にWindows回復環境を起動するようにWindowsを構成する
reagentc.exe /BootToRe