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起動不能になったOSを「WinRE」から自動復旧 ~Windows 11 Beta Build 26120.3653が公開

「ナレーター」リキャップ、[Windows]+[C]復権、「Windows Share」の改善なども

「Windows 11 Insider Preview」Build 26120.3653(KB5053658)。「eKB」として展開

 米Microsoftは3月28日(現地時間)、「Windows 11 Insider Preview」Build 26120.3653(KB5053658)をBetaチャネルでリリースした。「Windows 11 バージョン 24H2」に対する有効化パッケージ(eKB)として提供される。本ビルドでは、多くの新機能と改善が加えられている。

Quick machine recovery

 昨年の技術イベント「Ignite 2024」でアナウンスされた「Windows Resiliency Initiative」の一部として、「Quick machine recovery」(QMR)が実装された。

 これは、OSが起動不能になったときに自動で回復する仕組み。クリティカルなブート障害が発生すると、デバイスはWindows回復環境「WinRE」に入ってネットワークに接続し、診断データをMicrosoftに送信する。問題の修正も自動で適用されるので、ユーザーの手を煩わせることはない。

 同社はIT管理者に対し、この機能の有効化やテストを呼び掛けている。テストのための修復パッケージは、数日中に提供される予定。

Speech recap

 スクリーンのテキストを読み上げるアクセシビリティ機能「ナレーター」では、読み上げた内容を記録し、あとから参照できるようにする「Speech recap」と呼ばれる機能が導入される。

読み上げた内容をあとから参照できるようにする「Speech recap」

 キーボードショートカットは、ナレーターキー(既定では[CapsLock]または「Insert」キー)+ [Alt]+[X]キー 。「Speech recap」が開き、「ナレーター」が最後に話した文字列500が表示され、読み上げコマンドや矢印キーを使って内容をもう一度読み上げたり、必要なテキストをクリップボードへコピーしたり、共有することができる。

Copilot on Windows

 AIチャット機能「Copilot on Windows」(「Microsoft Copilot」アプリ)では、キーボードショートカット関連でいくつかの変更が加えられている。これらは段階的にロールアウトされるため、すぐに利用可能となるわけではない点には注意。

AIチャット機能「Copilot on Windows」

Click to Do(クリックして実行)

 デスクトップで起こっていることをキャプチャーしてAIにテキスト抽出してもらい、さまざまなアクションにつなげられる「Click to Do」(プレビュー機能)が、単体のアプリとして[スタート]画面に登録された。タスクバーへもピン留めできるので、マウス操作だけで「Click to Do」を始められる。

単体のアプリとして[スタート]画面に登録された「Click to Do」

 そのほかにも、「Click to Do」には以下の改善が加えられた。

  • 英語に加えてスペイン語とフランス語でもインテリジェントテキストアクションを実行できるように。今後のアップデートでさらに多くの言語へ対応。現在はSnapdragonを搭載した「Copilot+PC」のみの対応だが、AMD/Intelを搭載した「Copilot+PC」でも近日中に利用可能になる予定
  • 箇条書きリストを作成するテキストアクション。現在、英語、スペイン語、フランス語で利用可能。この機能もまずはSnapdragonでサポートされる
  • 商用環境で「Click to Do」を管理するためのポリシー

Windows Share

 共有ダイアログ「Windows Share」でも、いくつかの改善が行われた。

  • リンクやWebコンテンツを共有すると、コンテンツのビジュアルプレビューが表示される
  • 共有中に画像をすばやく編集する機能。ローカル画像(.jpg、.jpeg、.dib、.png、.tif、.tiff、.bmp)に対して有効(ローカルファイルのみ)で、トリミング、回転、フィルターといった加工処理に加え、ファイルのサイズ制限がある場合に役立つ圧縮機能が付属している
「Windows Share」に追加されたインライン画像編集機能

そのほかの変更

 そのほかにも、以下の変更が導入されている。