ニュース
起動不能になったOSを「WinRE」から自動復旧 ~Windows 11 Beta Build 26120.3653が公開
「ナレーター」リキャップ、[Windows]+[C]復権、「Windows Share」の改善なども
2025年3月31日 13:34
米Microsoftは3月28日(現地時間)、「Windows 11 Insider Preview」Build 26120.3653(KB5053658)をBetaチャネルでリリースした。「Windows 11 バージョン 24H2」に対する有効化パッケージ(eKB)として提供される。本ビルドでは、多くの新機能と改善が加えられている。
Quick machine recovery
昨年の技術イベント「Ignite 2024」でアナウンスされた「Windows Resiliency Initiative」の一部として、「Quick machine recovery」(QMR)が実装された。
これは、OSが起動不能になったときに自動で回復する仕組み。クリティカルなブート障害が発生すると、デバイスはWindows回復環境「WinRE」に入ってネットワークに接続し、診断データをMicrosoftに送信する。問題の修正も自動で適用されるので、ユーザーの手を煩わせることはない。
同社はIT管理者に対し、この機能の有効化やテストを呼び掛けている。テストのための修復パッケージは、数日中に提供される予定。
Speech recap
スクリーンのテキストを読み上げるアクセシビリティ機能「ナレーター」では、読み上げた内容を記録し、あとから参照できるようにする「Speech recap」と呼ばれる機能が導入される。
キーボードショートカットは、ナレーターキー(既定では[CapsLock]または「Insert」キー)+ [Alt]+[X]キー 。「Speech recap」が開き、「ナレーター」が最後に話した文字列500が表示され、読み上げコマンドや矢印キーを使って内容をもう一度読み上げたり、必要なテキストをクリップボードへコピーしたり、共有することができる。
Copilot on Windows
AIチャット機能「Copilot on Windows」(「Microsoft Copilot」アプリ)では、キーボードショートカット関連でいくつかの変更が加えられている。これらは段階的にロールアウトされるため、すぐに利用可能となるわけではない点には注意。
- 「Copilot on Windows」を[Windows]+[C]キーで起動できるように。[Copilot]キーと同様、[個人用設定]-[テキスト入力]設定ページで挙動のカスタマイズも可能だ
- [Alt]+[Space]キーの長押し(2秒間)で音声会話を開始する「Press to Talk」機能が、[Copilot]キーの長押しでもアクセスできるように。[Windows]+[C]キーで代替も可能。「Copilot」アプリの最新アップデート(バージョン 1.25033.139.0以降)でサポート
- アプリが[Copilot]ハードウェアキーの状態変更を検知できるように(企業向けは未サポート)
「Copilot on Windows」の変更点
Click to Do(クリックして実行)
デスクトップで起こっていることをキャプチャーしてAIにテキスト抽出してもらい、さまざまなアクションにつなげられる「Click to Do」(プレビュー機能)が、単体のアプリとして[スタート]画面に登録された。タスクバーへもピン留めできるので、マウス操作だけで「Click to Do」を始められる。
そのほかにも、「Click to Do」には以下の改善が加えられた。
- 英語に加えてスペイン語とフランス語でもインテリジェントテキストアクションを実行できるように。今後のアップデートでさらに多くの言語へ対応。現在はSnapdragonを搭載した「Copilot+PC」のみの対応だが、AMD/Intelを搭載した「Copilot+PC」でも近日中に利用可能になる予定
- 箇条書きリストを作成するテキストアクション。現在、英語、スペイン語、フランス語で利用可能。この機能もまずはSnapdragonでサポートされる
- 商用環境で「Click to Do」を管理するためのポリシー
Windows Share
共有ダイアログ「Windows Share」でも、いくつかの改善が行われた。
- リンクやWebコンテンツを共有すると、コンテンツのビジュアルプレビューが表示される
- 共有中に画像をすばやく編集する機能。ローカル画像(.jpg、.jpeg、.dib、.png、.tif、.tiff、.bmp)に対して有効(ローカルファイルのみ)で、トリミング、回転、フィルターといった加工処理に加え、ファイルのサイズ制限がある場合に役立つ圧縮機能が付属している
そのほかの変更
そのほかにも、以下の変更が導入されている。
- 新しいブルースクリーンエラー画面。「Windows 11」のデザイン原則に基づいたよりシンプルなデザインへ
- 「BypassNRO.cmd」スクリプトが削除。ローカルアカウントで「Windows 11」をセットアップする用途で広く用いられていたが、セキュリティとユーザビリティの観点から削除される