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注目のAI機能「Recall」「Click to Do」がテスト開始 ~Snapdragon搭載の「Copilot+ PC」で
Intel/AMD搭載デバイスへの対応は後日
2024年11月25日 10:03
米Microsoftは11月22日(現地時間)、「Windows 11 Insider Preview」Build 26120.2415(KB5046723)をDevチャンネルでリリースした。Snapdragon搭載の「Copilot+ PC」デバイスであれば、注目のAI機能「Recall」と「Click to Do」を一足先に試すことができる。
デスクトップでの操作を遡ることのできる「Recall」(プレビュー機能)
「Recall」は、ユーザーのデスクトップ操作をスナップショットとして記録してAIが分析し、あとから簡単に探し出せるようにする先進的なAI検索機能。PC上で見たものや操作したものを、過去に遡って探すことができる。
Build 26120.2415をインストールすると「Recall」と「Click to Do」(後述)のAIモデルがバックグラウンドでダウンロードされる。ダウンロード状況は[Windows Update]設定ページで確認可能。セットアップが完了すると、[スタート]画面から「Recall」を起動できるようになる。
「Recall」を初めて起動した際は、スナップショットの保存をオプトイン(許可)するかどうかをたずねられる。また、スナップショットを保護するため、「Windows Hello」とセキュアブートの有効化を求められる。スナップショットはユーザーが許可しない限り、勝手に保存されることはないので安心してほしい。
過去のアクティビティを検索するには、「Recall」を開いて「Windows Hello」認証を行う。認証をパスすると、手掛かりとなるキーワードを入力したり、タイムラインを遡ってスナップショットをたどりながら、目的の操作やコンテンツを探し出せる。
なお、「Recall」がスナップショットを保存していることはタスクトレイにアイコンで示される。都合が悪ければ、アイコンのクリックでスナップショットの保存を中断できる(一時停止中はアイコンに斜線が表示される)。不要なスナップショットの削除も、「Recall」アプリから可能だ。
そのほかにも、さまざまなプライバシー保護が組み込まれている。
- スナップショットはローカルで処理され、Microsoftなどの外部サーバーへ送信されることはない
- スナップショットはローカルで暗号化される。Microsoftからも内容を読み取ることはできない
- クレジットカードやパスワードといった機密情報の入力が検出された場合、スナップショットは保存されない
- 「Recall」の設定ページで、特定のアプリやWebサイトを除外することもできる。
- 企業環境では既定で無効。「Windows 11 Enterprise」ではデフォルトで「Recall」が削除されており、利用の際は明示的にセットアップの必要がある
デスクトップのことならなんでもAIに「Click to Do」(プレビュー機能)
「Click to Do」は、デスクトップスナップショットからAIが認識したテキストと画像を元に、さまざまなアクションを実行できる機能。テキストの場合、以下のアクションがサポートされる。
- コピー:テキストをクリップボードにコピー
- 開く:選択したテキストを好みのアプリケーションで開く
- Web検索:選択したテキストをWebで素早く検索
- Webサイトを開く:デスクトップに表示されているURLを好みのWebブラウザーで開く
- メール送信:画面上で認識されたメールアドレス宛てのメールを作成し、好みのメールアプリケーションで送信
画像の場合は、以下のアクションが利用可能。
- コピー:画像をクリップボードへコピー
- 名前を付けて保存:画像を任意の場所に保存
- 共有:画像を他の人と共有
- プログラムから開く:画像を任意のアプリケーションで開く
- 「Bing」によるビジュアル検索:なにが写っているのかを「Bing」で検索。関連するコンテンツを表示する
- 「写真」アプリで背景をぼかす
- 「写真」アプリでオブジェクトを消去
- 「ペイント」アプリで背景を削除
今のところ「Click to Do」は「Recall」機能の一部となっており、「Recall」アプリを起動しないと「Click to Do」にアクセスできない。しかし、今後のアップデートで[Windows]+[Q]キー、または[Windows]キーを押しながらマウスをクリックするだけで気軽に行えるようになる予定。「Snipping Tool」からも呼び出せるようになる。そうなれば、デスクトップで目に留まったものをなんでもAIに送って処理してもらうといった使い方が可能となり、利便性が一層高まるはずだ。
なお、今回の「Recall」「Click to Do」はSnapdragon搭載「Copilot+ PC」から順次展開される。Intel/AMD搭載デバイスでのテストは、間もなく開始される予定だ。対応言語は日本語を含む7カ国語。