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Windowsストアアプリをコマンドラインで起動する簡単な方法!

ショートカットファイルやバッチファイル、スクリプトの作成もお任せ

「Store Apps Tool」v1.1

 「コマンド プロンプト」などでWindowsアプリを起動するには、実行ファイルの名前を指定する。たとえば「メモ帳」アプリであれば「notepad.exe」、「電卓」アプリであれば「calc.exe」と入力して[Enter]キーを押せばよい。しかし、「Microsoft Store」で配信されているストアアプリの場合は少々面倒で、アプリパッケージのファミリー名とアプリIDを知る必要がある。たとえば、「フォト」アプリの名前や配置場所(パス)、実行コマンドは以下のようになる。

# アプリパッケージのファミリー名とアプリID(アプリ名)
Microsoft.Windows.Photos_8wekyb3d8bbwe

# 配置場所
C:\Program Files\WindowsApps\Microsoft.Windows.Photos_2023.11110.29003.0_x64__8wekyb3d8bbwe

# 実行コマンド
Shell:Appsfolder\Microsoft.Windows.Photos_8wekyb3d8bbwe!App

 これらを知る方法は「PowerShell」などいくつかあるが、もっとも簡単なのは「Sordum.org」で提供されているユーティリティ「Store Apps Tool」を使う方法だろう。対応OSはWindows 8以降で、利用は無料。少しわかりにくいが、紹介ページの「Related Posts」欄の上にあるボタンからダウンロードできる。インストール不要のポータブルアプリになっているので、ダウンロードした書庫ファイルを展開し、実行ファイルを起動すればすぐに使い始められる。

ストアアプリの情報を右クリックメニューで簡単にコピー。ショートカットファイルやバッチファイル、スクリプトの作成も
ちょっとわかりにくいが、紹介ページを少し下にスクロールして[Download]ボタンを探してほしい

 「Store Apps Tool」を起動すると、システムにインストールされているストアアプリが列挙され、リストビュー形式で表示される。それぞれの行を右クリックすると、メニューから以下のコマンドへアクセスできる。

  • 実行コマンドのコピー
  • アプリ名・配置パスなどのコピー
  • 「スタートアップ」フォルダーへショートカットを追加(OS起動時に当該アプリが実行されるようになる)
  • デスクトップコンテキストメニューへの追加(後述)
  • ショートカットの作成
  • BATファイルの作成
  • VBS(VBScript)ファイルの作成
  • 配置パス(ロケーション)を開く
  • コマンドを実行する

 実行コマンドをクリップボードにコピーすれば、「ファイルを指定して実行」ダイアログ([Windows]+[R]キー)に貼り付けて実行したり、スクリプトファイルに埋め込んで起動を自動化したりといったことが簡単に行えて便利だ。[スタート]画面やタスクバー以外から手軽に起動したい場合も、ショートカットファイルやバッチファイル、スクリプト作成機能が役立つ。

コピーした実行コマンドは「ファイルを指定して実行」ダイアログなどで使える

 さらに、本ソフトを利用すれば、デスクトップの右クリックメニュー(コンテキストメニュー)にストアアプリの起動メニューを追加することも可能。ツールバーにあるコンテキストメニューオプションのボタンを押すと、起動メニューの編集ダイアログが現れるので、そこで好みのストアアプリを追加し、ダイアログ右下のボタンで設定を保存すればよい。

デスクトップの右クリックメニュー(コンテキストメニュー)にストアアプリの起動メニューを追加
ツールバーにあるコンテキストメニューオプションのボタンを押すと、起動メニューの編集ダイアログが現れる
好みのストアアプリを追加し、ダイアログ右下のボタンで設定を保存

 ただし、この起動メニューが表示されるのはデスクトップの「クラシックメニュー」のみだ。[Shift]キーを押しながらマウスを右クリックしないと、起動メニューは現れないので注意したい。「クラシックメニュー」を標準にしたい([Shift]キーなしで表示されるようにする)場合は、同作社製の「Windows 11 Classic Context Menu」などが役立つ。

ソフトウェア情報

「Store Apps Tool」
【著作権者】
sordum.org
【対応OS】
Windows 8/8.1/10/11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.1(23/09/01)