Blender ウォッチング
ビーチリゾート「Waterial」のアセットを自作ファイルで利用する方法
2022年4月22日 11:50
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
今回は前回の記事でご紹介した、「Waterial」の内部について探り、さらに他のファイルからの利用などの応用について解説します。
「Waterial」を構成するblendファイル
「Waterial」のすべてが入っている「waterial_b280_PACKED.blend」の中身をもう少し詳しく覗いてみます。
まずは「Blender」画面の右上にある[アウトライナー]でファイルの構成を見てみましょう。「コレクション」でオブジェクトが分類されています。
「Essential_Ocean_Objects」コレクション
「Essential_Ocean_Objects」コレクションには、その名の通り基本となる「海」と「砂浜」のオブジェクトが入っています。単に海岸のシーンを作成したいのなら、このコレクションだけ「アペンド」機能(後述)を利用すればOKです。
「Rocks」コレクション
同様に他のコレクションにも様々なオブジェクトが入っています。
「Rocks」コレクションには、下図のようなリアルな「石」オブジェクトが入っています。頂点数は600~1,000程度です。ファイル内には実際にはもっと多くのオブジェクトがありますが、同じ形状を共有するコピーがありますので、実際には5種類です。
「BeachFurniture」コレクション
「BeachFurniture」コレクションには、サマーベッド(Lounger)とサイドテーブル(Table)、パラソル(Umbrella_Red+White)があり、「Rock」同様オリジナルのオブジェクトと、形状を共有するオブジェクトが入っています。
モデル自体はパラソルが5,000頂点、ベッドが6,000頂点とそれなりではあるものの、遠景用と割り切っているのかテクスチャはついていないため、流用する場合はウェザリングなどのディテールアップが必要かもしれません。その代わり、パラソルはマテリアルだけで色分けされているため、変更が簡単にできます。
「Palms」コレクション
非常に作り込まれたヤシの木モデルです。1つで約9万~12万頂点あるため、マシンパワーの足りない環境やゲーム用には向かないかもしれません。
コレクション内には曲がり方が違うバリエーションが9種あります。
自作blendファイルで利用するには?
コレクションを自作blendファイルで利用するには、「アペンド」機能を使用します。ここでは「Essential_Ocean_Objects」コレクションを読み込んでみます。
「Blender」画面上部の[ファイル](①)メニューから[アペンド](②)を選択し、表示された「ファイルブラウザー」で「waterial_b280_PACKED.blend」を指定します。次に、[Collection](③)→[Essential_Ocean_Objects](④)とコレクションのフォルダーをダブルクリックしていってください。
ただ、この中の「Beach」と「Ocean」オブジェクトは寸法が非常に大きいため(Xのサイズが22900m弱)、デフォルト設定では表示しきれずに見失ってしまう可能性があります。
自分のファイル側の[3Dビューポート]のサイドバーを開き、[ビュー]タブの[ビュー]パネルにある[終了]プロパティを大きめに設定しておくといいでしょう。
終わりに
今回はファイル内容の解説と、アペンドによる利用について解説しました。次回は海のマテリアルの解説とカスタマイズにいて解説する予定です。
ではまた。