Blender ウォッチング

「Blender 3.3」の新機能ヘアーカーブを使いこなす! 弱点を克服して実用レベルに

 本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。

 6月8日(GMT)、「Blender 3.3」が公式リリースされました。いつものように、このリリースにも興味深い機能があります。

 今回は前回に引き続き、「ヘアーカーブ機能」をもっと深く掘り下げてみようと思います。

ヘアーカーブ機能の使用例

Cyclesレンダーでのレンダリングについて

 前回、「Cycles」レンダーでは毛が太くなると書きましたが、これは不具合ではなく仕様だそうで、カーブ半径が「0」であるために起こるようです。逆に細すぎて見えなくなることがあるのもこのためです。

 解決するには、後述の「ジオメトリノードによる操作」を参照してください。

ヘアーカーブのマテリアルについて

 ヘアーカーブでも[Shading]ワークスペースで自然な髪の毛がレンダリング可能な[ヘアーBSDF]ノードが利用できます。ただし「Eevee」レンダーはこのノードに未対応ですので注意してください。

 動物の体毛のように、カーブ単位で色を変えることも可能です。

テクスチャをヘアーカーブに適用した例。ただし現時点では、全身に毛がある動物のようなモデルは旧ヘアーパーティクルの方が楽

ジオメトリノードによる操作

 「カーブオブジェクト」追加時、同時に「ジオメトリノード」も追加されます。ジオメトリノードを利用することで様々なエフェクトが作成できますが、ここでは、前回に上げた問題点の一部を解決することに使用してみます。

「Cycles」でも正常な太さでレンダリングされるようにする

 まず、以下の手順で新規にジオメトリノードを作成します。

  1. [Geometry Nodes]ワークスペース(①)に移動し、[プロパティエディター]の[モディファイアー]プロパティで[モディファイアーを追加](②)から[ジオメトリノード]を追加します。
  2. [ジオメトリノード]モディファイアーのパネルの[新規](③)をクリックします。
[Geometry Nodes]ワークスペース(①)にて[モディファイアー]プロパティの[モディファイアーを追加](②)から[ジオメトリノード]を追加し、[新規](③)をクリック

 次に、[カーブ半径設定]ノードを追加して毛の太さを調節します。

  1. [追加](①)-[カーブ]メニューの[カーブ半径設定]ノードを②の位置に挿入し、図のように繋ぎます。
  2. ③のパネルにて半径を小さい値から適当に試してみてください。
[追加]メニュー(①)-[カーブ]-[カーブ半径設定]を②の位置に挿入し、図のように繋ぎ、③のパネルにて適切な半径を設定する

毛が表面に埋もれないようにする

 前回書いたように、現時点では表面との衝突判定がないため、髪の毛が埋もれてしまう問題がありましたが、それを回避するジオメトリノードをJohnny Matthews氏が作成されていましたので、それを利用させていただくことにします。

※利用は自己責任の元に行ってくださるようお願いいたします。

ジオメトリノードアセットのダウンロード

 こちらから、「公正な価格を設定して下さい」に「0以上」(お金を払っていいと思うならその額)を入力し、[これが欲しいです!]をクリック後、メールアドレスを入力、成功すれば[コンテンツを表示する]→「ダウンロードする」とクリックしてダウンロードします。

「公正な価格を設定して下さい」に「0以上」を入力し、[これが欲しいです!]をクリック後、メールアドレスを入力、[コンテンツを表示する]→「ダウンロードする」とクリック

ジオメトリノードアセットの導入

 [ファイル]-[アペンド]でダウンロードした「HairNodes.blend」を選択し、[NodeTree]内にある[Strands Above Surface]を現在のファイルに追加します。

[ファイル]-[アペンド]でダウンロードした「HairNodes.blend」を選択し、[NodeTree]内にある[Strands Above Surface]をアペンドする

カーブオブジェクトへのアペンドしたジオメトリノードの設定

 「(ヘアー)カーブオブジェクト」を選択(または新規追加)し、[プロパティエディター]の[モディファイアー]プロパティから、[モディファイアーを追加]で[ジオメトリノード]を追加します。

「カーブオブジェクト」を選択し[プロパティエディター]の[モディファイアー]プロパティから、[モディファイアーを追加]で[ジオメトリノード]を追加

 [新規]ボタンの左側にあるアイコンから、アペンドした[Strands Above Surface]を選択します。

[新規]ボタンの左側にあるアイコンから、アペンドした[Strands Above Surface]を選択

 パネル内の[Object]フィールドをクリックし、「衝突判定用オブジェクト」を設定します。

 パネル内の[Object]フィールドをクリックし「衝突判定用オブジェクト」を設定

 [スカルプト]モードに変更し、[くし]ブラシでといてみましょう。うまく表面で止まってくれれば成功です。皮膚からもう少し離したい場合は、同パネル内の[Margin]を増やしてください。

[スカルプト]モードに変更し、[くし]ブラシでといて表面で止まってくれれば成功。皮膚からもう少し離したい場合は、同パネル内の[Margin]を増やす

終わりに

 今回は新しいヘアーカーブの弱点を補強する方法を模索してみました。将来のリリースでは改善されるとは思いますが、ジオメトリノードモディファイアーによる拡張は覚えていて損はないと思います。

 次回は編集のテクニックを中心に解説します。

 ではまた。