Blender ウォッチング

「Blender」アドオンで「Substance 3D Painter」のファイルを直接読み込み!

……その前に「Substance 3D Painter」の便利機能の続きを少し

 本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。

左のロウソクには「Oil Leak」ブラシで溶けたロウの凹凸を付加(後述)

 今回は前回紹介できなかった「Substance 3D Painter」の機能と、「Blender」アドオンのインストールについて解説します。アドオンを使えば、「Substance 3D Painter」で保存したファイルを直接「Blender」に読み込むことができるので、連携がグッとしやすくなりますよ。

前回紹介できなかった機能の続き

 まずは、前回紹介しきれなかった便利な機能を紹介します。「Painter」を名乗るだけあって3Dモデルを「塗る」作業が効率的に行えるようになっています。

ステンシルの操作

 ステンシルとは、いわゆる画像による「マスク」です。前述のペイント設定の「ステンシル」に、アセットの「アルファ」からドラッグ&ドロップすればOK。簡単ですね。ちなみにここから「文字入れ」もできます(「Font ~」の名前のアルファアセット)

ステンシルもドラッグ&ドロップで簡単に利用可能

 ステンシルの操作は[S]キー+左ドラッグなどで操作します。画面操作の[Alt]と同じ組み合わせに動作が割り振られており、操作が統一されていて判りやすいです。

[S]キーを押したときのステンシル表示

動的ブラシ

 形状に様々な大きさで「木の葉」や「飛沫」をペイントしてくれるブラシや、形状に合わせて流れる流体をシミュレートしたブラシもあります。

 最初の画像と下の画像の「キャンドルトレー」と「ロウソク」にはこれらの動的ブラシを使用し、「汚れ」や「溶けて流れた跡」を与えています。

「キャンドルトレー」に「汚れ」を、「ロウソク」に「溶けて流れた跡」を与えた例

 他にもポリゴン単位やUVアイランド(孤立したUVの塊)単位で塗りつぶし可能な「ポリゴン塗りつぶしツール」や、レイヤーで「高さ」を「ノーマル」に変換する「フィルター」機能などもあります。

「Blender」へ直接sbsarファイルを読み込む

 前回は「Blender」から「Substance 3D Painter」へ「形状データ」を読み込みましたが、逆に「Substance 3D Painter」で「質感付けしたデータ」を「Blender」に読み込むこともできます。

「Blender」用アドオンのインストール

 「Substance 3D Painter」の質感付けのデータである「.sbsarファイル」を「Blender」で読み込むには、「Blender」用のアドオンが必要です。

 次のURLから「Blender」用のアドオンをダウンロードできます。

Substance in Blender - Substance 3D

 まず、複数環境共通のアドオンファイルをダウンロードする必要があります。上記のページの「Download」をクリックします。
 この記事では「Adobe_Substance_3D_for_Blender-1.0.1+default-172-any-multi.zip」を使用しています。

最初は上側の「Download」をクリック

 そしていつものように、[プリファレンス]ダイアログの[アドオン]タブからこのZIPファイルを指定しインストールします。

[ファイル]メニューの[プリファレンス...]から[プリファレンス]ダイアログを開き、[アドオン](①)タブから右上の[インストール...](②)でZIPファイルを指定

 しばらくすると、インストールしたアドオンのパネルが表示されますので、パネルの展開と有効化を行っておきます。

アドオンパネルの囲み部分を両方クリックし、パネルの展開と有効化を行っておく

統合ツールのインストール

 しかしまだ有効ではなく、さらに「Substance 3D Integration Tools」のダウンロードとインストールが必要です。

 「Blender」のアドオンパネルに[Download]ボタンが用意されていますが、執筆時点ではリンク先の物(v1.4.3)は古くて動作しなかったので、先ほどアドオンをダウンロードしたページの、すぐ下のボタンからOSに合った物をダウンロードしてください。

 本記事では「Substance3DIntegrationTools-1.4.5+default-89-x64-win.zip」を使用しています。

下の囲みの中からOSにあった物をダウンロード

 そして上記の「Blender」のアドオンパネル内の[Install from disk]をクリックし、先ほどダウンロードしたファイルを指定してください。

アドオンパネルの[Install from disk]をクリック

 インストールが成功すれば、パネルに他の設定が現れます。特に設定しなくても動作はしますが、「Defaults」の「タイリング」を「1.00」に設定しておくと、後で調整する必要がなくなります。

 その下の「パス」の項目で、sbsarファイルのパスと一時ファイルパスを設定しておくと、パス指定や作業ファイルの抽出が少し楽になります。

「タイリング」や「パス」を設定しておくと後が少し楽に

 なお、デフォルトでは「高さ」(Height)と「放射」(Emission)チャンネル(成分)が無効になっていますので、必要なら下の方にある「Outputs」内の項目も有効化してください。

 最後に左下の[≡]ボタン-[プリファレンスを保存]で保存しておきましょう。

必要に応じて「Outputs」内のチャンネル(成分)も有効化し、[≡]ボタン-[プリファレンスを保存]で保存

 これで「Blender」からsbsarファイルを読み込めるようになりました。

終わりに

 今回は「Blender」へのアドオン導入で終わってしまいましたが、来週はいよいよ「Blender」での読み出しを行います。

 ではまた。