Blender ウォッチング
「Blender」アドオンで「Substance 3D Painter」のファイルを直接読み込み!
……その前に「Substance 3D Painter」の便利機能の続きを少し
2022年11月4日 15:28
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
今回は前回紹介できなかった「Substance 3D Painter」の機能と、「Blender」アドオンのインストールについて解説します。アドオンを使えば、「Substance 3D Painter」で保存したファイルを直接「Blender」に読み込むことができるので、連携がグッとしやすくなりますよ。
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前回紹介できなかった機能の続き
まずは、前回紹介しきれなかった便利な機能を紹介します。「Painter」を名乗るだけあって3Dモデルを「塗る」作業が効率的に行えるようになっています。
ステンシルの操作
ステンシルとは、いわゆる画像による「マスク」です。前述のペイント設定の「ステンシル」に、アセットの「アルファ」からドラッグ&ドロップすればOK。簡単ですね。ちなみにここから「文字入れ」もできます(「Font ~」の名前のアルファアセット)
ステンシルの操作は[S]キー+左ドラッグなどで操作します。画面操作の[Alt]と同じ組み合わせに動作が割り振られており、操作が統一されていて判りやすいです。
動的ブラシ
形状に様々な大きさで「木の葉」や「飛沫」をペイントしてくれるブラシや、形状に合わせて流れる流体をシミュレートしたブラシもあります。
最初の画像と下の画像の「キャンドルトレー」と「ロウソク」にはこれらの動的ブラシを使用し、「汚れ」や「溶けて流れた跡」を与えています。
他にもポリゴン単位やUVアイランド(孤立したUVの塊)単位で塗りつぶし可能な「ポリゴン塗りつぶしツール」や、レイヤーで「高さ」を「ノーマル」に変換する「フィルター」機能などもあります。
「Blender」へ直接sbsarファイルを読み込む
前回は「Blender」から「Substance 3D Painter」へ「形状データ」を読み込みましたが、逆に「Substance 3D Painter」で「質感付けしたデータ」を「Blender」に読み込むこともできます。
「Blender」用アドオンのインストール
「Substance 3D Painter」の質感付けのデータである「.sbsarファイル」を「Blender」で読み込むには、「Blender」用のアドオンが必要です。
次のURLから「Blender」用のアドオンをダウンロードできます。
Substance in Blender - Substance 3D
まず、複数環境共通のアドオンファイルをダウンロードする必要があります。上記のページの「Download」をクリックします。
この記事では「Adobe_Substance_3D_for_Blender-1.0.1+default-172-any-multi.zip」を使用しています。
そしていつものように、[プリファレンス]ダイアログの[アドオン]タブからこのZIPファイルを指定しインストールします。
しばらくすると、インストールしたアドオンのパネルが表示されますので、パネルの展開と有効化を行っておきます。
統合ツールのインストール
しかしまだ有効ではなく、さらに「Substance 3D Integration Tools」のダウンロードとインストールが必要です。
「Blender」のアドオンパネルに[Download]ボタンが用意されていますが、執筆時点ではリンク先の物(v1.4.3)は古くて動作しなかったので、先ほどアドオンをダウンロードしたページの、すぐ下のボタンからOSに合った物をダウンロードしてください。
本記事では「Substance3DIntegrationTools-1.4.5+default-89-x64-win.zip」を使用しています。
そして上記の「Blender」のアドオンパネル内の[Install from disk]をクリックし、先ほどダウンロードしたファイルを指定してください。
インストールが成功すれば、パネルに他の設定が現れます。特に設定しなくても動作はしますが、「Defaults」の「タイリング」を「1.00」に設定しておくと、後で調整する必要がなくなります。
その下の「パス」の項目で、sbsarファイルのパスと一時ファイルパスを設定しておくと、パス指定や作業ファイルの抽出が少し楽になります。
なお、デフォルトでは「高さ」(Height)と「放射」(Emission)チャンネル(成分)が無効になっていますので、必要なら下の方にある「Outputs」内の項目も有効化してください。
最後に左下の[≡]ボタン-[プリファレンスを保存]で保存しておきましょう。
これで「Blender」からsbsarファイルを読み込めるようになりました。
終わりに
今回は「Blender」へのアドオン導入で終わってしまいましたが、来週はいよいよ「Blender」での読み出しを行います。
ではまた。