いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】エクセルにコピペした漢字のフリガナを表示するマル秘ワザ
間違ったフリガナの修正方法とフリガナをひらがなで表示する方法も解説
2022年7月20日 06:55
[ふりがなの表示/非表示]とPHONETIC関数は入力時の情報を参照する
会員名簿や社員名簿などで、入力済みの氏名に「フリガナ」を追加したいことがありますよね。定番のテクニックは2つ。[ホーム]タブにある[ふりがなの表示/非表示]ボタンをクリックするか、PHONETIC関数を使うかのどちらかです。[ふりがなの表示/非表示]は文字列の上、PHONETIC関数は別の列に「フリガナ」を表示させます。
どちらも操作に迷うことはないと思います。困るのは[ふりがなの表示/非表示]ボタンをクリックしているのに何も表示されない! PHONETIC関数の結果が漢字で表示されるのはなぜ? といった時でしょう。
これは入力時の情報を取り出せないことが原因です。[ふりがなの表示/非表示]とPHONETIC関数では、「いで」→「井出」のように、日本語入力時のフリガナの情報を参照して表示します。そのため、Excel上で入力していないデータからはフリガナを取り出せないのです。別のアプリからのコピー&ペーストしたデータやCSVファイルから取り込んだデータなど、実務でよくあるケースに対応できないことが弱点です。
数件であれば手入力してもいいですが、できれば避けたいですよね。今回は「フリガナ」入力に困ったときのマル秘ワザを紹介します。
「setphonetic」メソッドを利用する
フリガナの情報が記録されていないデータからフリガナを取り出すには、VBAの「setphonetic」メソッドを利用します。といっても、コードの記述やマクロの記録は必要ありません。Visual Basic Editor(VBE)の画面から「イミディエイトウィンドウ」を表示して「selection.setphonetic」と入力するだけです。
VBEはコードを記述するための画面。お使いのExcelに標準で用意されている機能です。[Alt]+[F11]キーを押すか、[開発]タブから呼び出します。[開発]タブの表示方法は、以前の記事を参考にしてください。
フリガナを一気に取得できました。ただし、「selection.setphonetic」で取得できるのは一般的な漢字の読みです。必ずしも正確なフリガナが自動的に振られるわけではないことに注意してください。
フリガナを修正する
フリガナが間違っている場合は手動で修正するしかありません。ここでは「海野」さんの読みを「ウンノ」→「ウミノ」に修正してみます。フリガナは[ふりがなの表示/非表示]ボタンの右側[▼]をクリックして[ふりがなの編集]から修正可能ですが、ショートカットキーの[Shift]+[Alt]+[↑]キーも覚えておくと便利です。
ここでの例のようにPHONETIC関数を使っているなら、結果のセルでフリガナを確認してショートカットキーで修正するのが簡単ではないかと思います。また、文字列の上に表示されるフリガナのフォントサイズは小さいので、表示倍率を拡大して操作することをおすすめします。
フリガナの手入力は不要
フリガナの利用機会は少ないので、困った時は手入力で解決しようとすることが多いと思います。今回紹介した「selection.setphonetic」を思い出してください。修正が必要としても手入力より効率的です。