いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】セル内の改行が邪魔! スマートに一括削除する2つのテク

“改行”は検索・置換できます

ずっと使える定番テクを覚えておこう

 エクセルでは、セルの内容を読みやすくするために、任意の位置で改行することがありますよね。改行は[Alt]+[Enter]キーで挿入できます。しかし、印刷やPDFファイルとして出力しようとして列幅を調整したら、微妙な位置で折り返されてしまうこともあります。

列幅を調整したら、“改行”のおかげで読みづらくなってしまったことがありませんか?

 改行を削除したくなりますが、手作業で1セルずつ編集するのは非効率ですし、削除漏れもありそうです。今回は、セル内の改行をまとめて削除する定番の方法を2つ紹介します。

[Ctrl]+[J]で改行コードを検索・置換する

 最も簡単な方法は、検索・置換です。セル内の改行は「改行コード」を挿入することで実現しています。改行コードを検索できれば、空白に置換することで“削除”できますよね。[検索と置換]ダイアログボックスを呼び出して、[検索する文字列]で[Ctrl]+[J]キーを押しましょう。

改行を含むセル範囲を選択しておきます(①)。[Ctrl]+[H]キーを押して(②)、[検索と置換]ダイアログボックスを呼び出します
[検索する文字列]をクリックして、[Ctrl]+[J]キーを押します(③)。何も入力されていないように見えますが、「改行コード」が入力されています。[置換後の文字列]には、何も入力しません。[すべて置換](④)をクリックします。
置換した件数が表示されます。[OK](⑤)をクリックします。[検索と置換]ダイアログボックスの[閉じる]をクリックして閉じておきます
選択したセル範囲の改行がまとめて削除されました

SUBSTITUTE関数とCHAR関数で検索・置換する

 SUBSTITUTE関数は、文字列の中から特定の文字を検索して、指定した文字で置換できる関数です。改行を含む元のデータを残しておきたい場合に便利です。引数[検索文字列]に改行コードを表す「CHAR(10)」、[置換文字列]に空白("")を指定して、改行を削除します。

SUBSTITUTE関数の構文。引数[文字列]に含まれる[検索文字列]を[置換文字列]に置き換えます。[検索文字列]が複数ある場合、何番目を置換するかを[置換対象]に指定することもできます。
セルD2に「=SUBSTITUTE(C2,CHAR(10),"")」と入力します(⑥)
改行が削除されました
数式をコピーすれば、他のセルの改行もすぐに削除できます

 なお、“スピル”に対応するバージョンでは、以下のように入力すると数式をコピーする必要がなくなります。

=SUBSTITUTE(C2:C20,CHAR(10),"")
スピルに対応するバージョンのエクセルでは「=SUBSTITUTE(C2:C20,CHAR(10),"")」と入力すれば、数式をコピーする手間が省けます

状況に応じて使い分けよう

 [検索と置換]ダイアログボックスは手軽ですが、元のデータが上書きされるため、やはり改行を元に戻したいと思った場合に苦労します。一方、SUBSTITUTE関数は元データを残しておけるので、安心して作業できます。作業中はSUBSTITUTE関数で改行を保持しながら編集し、完成後に「値の貼り付け」で確定する使い方もおすすめです。