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白黒の時代劇をゲームで再現。純和風剣劇アクション「Trek to Yomi」
実はポーランド発の作品。大塚明夫さんら豪華声優陣も参加
2022年5月27日 11:30
今回紹介するのは、時代劇映画風アクション「Trek to Yomi」。見た目は純和風な作品ながら、ポーランドのFlying Wild Hogが開発した作品だ。本作の情報に邦題は見当たらないが、ゲームを進めていくと「黄泉への旅路」というタイトルらしき文字が出てくる。
本作の特徴は、何といっても古い日本映画を思わせる白黒の映像だ。映像自体は美麗な3Dグラフィックスで描かれているが、色味は全くない。開発者はきっと黒澤明監督の映画に感銘を受け、ゲームで再現したかったのだろうな……などと思わされるテイストだ。
主人公は大輝という名の少年。三十郎という男に剣術と侍の心得を教わっている最中、町が賊に襲われる。対応に向かう三十郎を追う道中で、町の人々を助けるために、自らも賊と剣を交えることになる。
アクションのバリエーションは多く、攻撃ボタンと方向入力の組み合わせによる攻撃の変化や、防御、回避行動、くないによる遠距離攻撃などもある。移動のシーンでは奥行きのある動きも出てくるのだが、敵と戦うシーンは自然な流れでサイドビューになっている。
そのため敵が前後に現れることはあっても、四方八方から同時に襲ってくることはない。基本的には敵の攻撃を防ぐか避けてから反撃するという流れで、敵もむやみやたらとは切りかかってこない。この辺りの攻防は、日本人には馴染みのある剣劇っぽさがよく出ている。
本作には4段階の難易度設定があり、最初は下3つの難易度が選べる。最低難度の「歌舞伎」を選ぶと、多くの敵が一太刀で倒せるなど、アクションはそれほど難しくはない。セーブと回復ポイントを兼ねた祠も頻繁に現れるので、ストレスなくゲームが進んでいく。
物語としては、平和な町が突如として賊に襲われ、略奪され、火をつけられるというハードな展開から始まる。その後も賊との戦いが続き、時代劇にしてもずいぶんと早い展開で物騒な話が続く。この辺りはアクションゲームとして退屈させないためには致し方ないところだろう。それでも人々との関わりなどは適切に描けており、アクションシーンとストーリー展開のバランスもいい。
本作について細かいことを言うと、時代設定がいまひとつはっきりしない。町並みは江戸時代を思わせるが、賊に町ごと襲われるような時代となるともっと昔かもしれない。また商店に書かれた日本語の文字も妙に丸文字だったりして、よくよく見ると違和感のある部分もあるにはある。
それでも時代劇をよく観察して丁寧に作り込んでいるのはわかる。舞台全体としての雰囲気をぱっと見て、違和感を覚える日本人は少ないだろうと思える。映像が白黒なのでわかりづらいが、3Dグラフィックスの細かい描き込みやリアルなエフェクトは相当手が込んでいる。
またキャラクターボイスは日本の声優が務めており、主人公役の加藤将之さんを始め、ブリドカットセーラ恵美さん、白熊寛嗣さん、大塚明夫さんらが、時代劇らしい渋い声を聞かせてくれる。しかもキャラクター達はちゃんと日本語でリップシンクしており、見た目にも自然な印象を与えてくれる。アクションゲームとしてはやや単調さもあるが、インタラクティブな映像作品としてはとても趣深い作品だ。
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