残業を減らす!Officeテクニック

自宅パソコンでのExcel作業は無料のWeb版で十分! Microsoft 365がなくても十分使える

ピボットテーブルや条件付き書式も利用可能

Web版Officeで多くの作業は可能

 家のパソコンにOfficeアプリがインストールされていない人は結構いるのではないでしょうか。個人でもOfficeの機能が必要となることがありますが、月に1回あるかないかために「Microsoft 365」を購入するのはコストパフォーマンスが悪すぎますよね。

 そんな状況の人に利用して欲しいのが「Web版のOffice」です。Microsoftアカウントがあれば、無償で利用可能。Webブラウザーで利用できます。

Web版のOfficeにサインインした状態。左側に並ぶアイコンから各アプリを起動できる

 実は、Web版のOfficeのサービスは10年以上前からありますが、オンラインで利用できる機能も年々増えています。以前に試して使えなかった印象のある方にもおすすめです。今回は利用頻度の高いExcelでインストール版とWeb版を比較します。

インストール版とWeb版の画面の比較

 インストール版と Web版のExcelの画面を比べてみます。Web版のExcelでは一部機能が省かれていますが、一般的なデータ入力や表作成に関する機能に不足はないでしょう。

 Web版のExcelの画面でリボンが折りたたまれている場合は、画面右側にある[リボンを切り替える]をクリックして表示してください。

インストール版のExcelの[ホーム]タブ
Web版のExcelの[ホーム]タブ。リボンが折りたたまれている場合は右側にある[リボンを切り替える]をクリックしておく。インストール版との違いは[データ分析]ボタンがないくらい。データ分析のための提案をしてくれる機能だが、利用している人は少ないだろう
インストール版のExcelの[挿入]タブ
Web版のExcelの[挿入]タブ。アドインは必要に応じて追加可能。マップグラフやピボットグラフ、3Dグラフは使えない。また、スパークライン、フィルター、テキスト、記号と特殊文字のグループは省かれている
インストール版のExcelの[描画]タブ
Web版のExcelの[描画]タブ。インクを図形に変換、数式に変換、再生の機能は省かれているが、利用頻度は低いと思われるので気にしなくていいだろう
インストール版のExcelの[ページレイアウト]タブ
Web版のExcelの[ページレイアウト]タブ。印刷タイトルや背景、オブジェクトの配置に関する機能などは大幅に機能制限されている。印刷関連の詳細な設定はインストール版で済ませたほうがいい
インストール版のExcelの[数式]タブ
Web版のExcelの[数式]タブ。名前の定義や参照元・参照先のトレースなどの機能が省かれているが、こちらも使用頻度は低いだろう
インストール版のExcelの[データ]タブ
Web版のExcelの[データ]タブ。データの取り込み・分析の機能が省かれている
インストール版のExcelの[校閲]タブ
Web版のExcelの[校閲]タブ。翻訳やブックの保護などの機能が省かれている
インストール版のExcelの[表示]タブ
Web版のExcelの[表示]タブ。かなり簡略化しているように見えるが、通常使う機能は揃っている

 残念ながらWeb版のExcelではマクロが動作しないのですが、それ以外で制限されるのは、通常使わない機能がほとんどですよね。普段の作業を振り返ってWeb版でも完結できるかどうかイメージしてみてください。

ピボットテーブルや条件付き書式もWeb版で使えるように

 最近までは「Web版のExcelではピボットテーブルや条件付き書式が使えないからダメ」なんて言われていたのですが、いつの間にか使えるようになっています。レスポンスもインストール版と遜色なし。結構サクサク動きます。

Web版のExcelの[挿入]タブからピボットテーブルを挿入する。表示されるダイアログもインストール版とほぼ同じだ
フィールドもドラッグ操作で指定可能
Web版のExcelの[ホーム]タブから条件付き書式を設定した例

 なお、Web版のExcelに対応していない機能を利用したファイルを開いた場合は、利用できない旨のメッセージが表示されます。データが壊れるわけではありませんので安心してください。インストール版のExcelで開けば正常に表示されます。

Web版のExcelに対応していない機能を含むファイルを開くと、利用できないというメッセージが表示される

データはOneDriveに保存される

 ちなみにインターネットに接続した状態でないとWeb版のExcelは動作しません。作業中にオフラインになってしまった場合は、復帰後に直前の作業状態が復元されます。データは自動的にOneDriveに保存されるので「保存」の概念はありません。

 なお、[ファイル]タブをクリックしたときに表示される[名前を付けて保存]の項目は、主にローカルにダウンロードするためのメニューです。例えば、自宅にてWeb版のExcelで編集したファイルを職場でダウンロードして、インストール版のExcelで編集するときに利用します。

[ファイル]タブをクリックした状態。[名前を付けて保存]-[コピーのダウンロード]でファイルをローカルに保存できる

 Officeアプリを個人で導入していなくても、Microsoftアカウントは持っているのではないでしょうか。この機会にサインインして試してみてください。

[お詫びと訂正] 記事初出時、Web版のOfficeが商用目的で無償利用できるかのような記述がありましたが、商用目的での利用には別途契約が必要でした。お詫びして訂正いたします。