どれ使う?プログラミング教育ツール

“Codey Rocky”に世界の気候データを表示!手軽にIoT機能をプログラミングしてみよう

 2020年度からついに小学校でプログラミング教育が実施されます。これに伴い家庭でも手軽にプログラミングを学習できるツールが多数登場していますが、どんなツールを使えばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか? そこで本連載では家庭でのプログラミング教育にピッタリなお勧めツールを紹介していきたいと思います。

 今回は、前回の記事で紹介した“Codey Rocky”というプログラミング学習用ロボットと、Makeblock社製品用のプログラミングアプリ「mBlock」を引き続き取り上げます。この記事では機能を少し深掘りして、IoT機能を使う方法をご紹介します。“Codey Rocky”は完成型のプログラミング学習用ロボットで、Amazonで正規代理店品が1万円ちょっとで販売されています。「mBlock」というプログラミング用アプリは無料です。

IoTって何?

 IoTというのはInternet of Thingsの略です。インターネットといえば、長らく人がパソコン等を操作して画面を見ながら接続して利用するものでした。IoTというのは、モノ自体がインターネットに接続してデータをやりとりして機能している状態を指しています。現在は「スマート○○」と呼ばれるモノがあふれてきて、IoT自体がもはや珍しいことではなくなってきましたが、意外とその仕組みはイメージしづらいものです。

 “Codey Rocky”は、IoTの機能を手軽にプログラムして使えるので、IoTの仕組みを作りながら体感することができます。

「mBlock」でIoT機能を使う準備をする

 では早速、プログラミング用アプリの「mBlock」を開いてみましょう。前回までの記事ではWebブラウザーから利用できるウェブ版の「mBlock」を紹介しましたが、「mBlock」にはOSごとにダウンロード型アプリケーションもあります。今回はWindows版の「mBlock」を使用して解説しますが、ウェブ版と見た目や使用感は同じです。基本的な使い方は、これまでの記事を適宜参照してください。なお、ダウンロード型の「mBlock」を使用する場合、ウェブ版を使用する際に必要だったドライバー「mLink」は不要です。

mBlockのダウンロードページ

 「mBlock」を起動したらはじめにmBlockアカウントを作成してログインします。IoT機能を使うには、mBlockのアカウントを作ってクラウドサーバーを使用できるようにする必要があるためです。ログインしたら、[拡張]ボタンをクリックし、拡張センターの一覧から[IoT]を追加します。

mBlockでアカウントを作成してログインする。Googleアカウントでもログインできる。[拡張]をクリック
IoTの拡張機能を[+追加]する
IoTのブロックが追加された

気候データを表示するプログラムを作成

 それでは早速簡単なプログラムを作ってみましょう。“Codey Rocky”の頭の部分“Codey”とパソコンをUSBケーブルでつなぎます。

“Codey”をUSBケーブルでパソコンにつなぐ

 この、“Codey”に気候データを表示します。下の図を参考にプログラムしてください。IoTブロックを中心に使用します。

 起動時にWi-Fiにつなぐ設定をする際は、接続前とWi-Fi接続後に別の色のLEDを表示させて接続状況を把握するのがポイントです。なお、IoT機能を使用する時は、画面左下の“アップロードモード切替”を[オン]にして、プログラムは常に[アップロード]して確認します。

“Codey”の起動後にWi-Fiに接続するためSSIDとパスワードを設定する。[A][B][C]ボタンごとに、異なる気象データを取得して表示するプログラム。好きなエリアは、地名の一部をタイプすると候補が表示されて選べる

プログラムをアップロードして機能テスト

 作成したプログラムを“Codey”にアップロードし、パソコンにつないだまま試してみます。

Wi-Fiに接続するとLEDがグリーンに点灯し、その後、[A]ボタンを押すと東京の湿度が表示された

 Wi-Fiに接続が完了し、[A]ボタンは東京の湿度、[B]ボタンは最低気温、[C]ボタンは日の出の時刻を表示できるようになりました。これらの値は、気候データを取得して表示しています。ですから、例えばロンドンの最低・最高気温、天気などを表示させることもできます。

パソコンから切り離して試してみよう!

 プログラムは機能しましたが、パソコンとつながっていたのではなんだかIoTらしさがありません。USBケーブルから切り離して、“Codey”を専用ストラップにぶら下げてみましょう。

専用ストラップをつなぐと趣が変わる。これは日の出時刻が表示されているところ

 首からぶら下げてボタンを押すと、より本格的な便利グッズのような感じが出ます。いったん電源をOFFにしても、もう一度電源を入れれば、Wi-Fiに接続を試みて、接続完了後、機能します。Wi-Fiにうまく接続してくれないこともあるので不安になりますが、再度電源を入れ直すとうまくつながることが多いようです。なお、設定したWi-Fiが有効な場所で試すことも忘れないでください。

ストラップで首からかけると、子どもはちょっとうれしそう

 これで、首からぶら下げられるIoT機器が出来上がりました。音を追加したり表示方法を工夫してもいいですし、例えばボタンごとに世界中の違う場所の天気が表示されるようにしても楽しいですね。

IoTって何?をイメージできる

 お子さんはもしかすると、この“Codey”が温度や湿度を測っているのだと思うかもしれませんが、そうではありません。“Codey”がインターネットに接続して気候データを取得し、その値を表示しているわけです。

 例えば温度センサーがついている機器で周囲の温度を測って表示しているのだとしたら、それはIoTではなく、センサーの測定値の表示です。ですから、お子さんとIoT機能を試す時は、「何のデータを表示しているのか」をぜひ話題にしてください。

 今回紹介したように、非常に手軽にIoT機能を試すことのできる子供向けのツールが他にも存在します。目に見えない通信やデータのやり取りをイメージするきっかけになるので、ぜひ、活用してみてはいかがでしょうか。