どれ使う?プログラミング教育ツール

携帯ゲーム機風学習用コンピューター「CyberPi」をIoTデバイス・コントローラー化!

「CyberPi」は使い道の幅広さが魅力。AIを使った音声認識や翻訳を取り入れることも

 前回につづき、プログラミング学習用のマイクロコンピューター「CyberPi」を紹介します。makeblock社から2021年2月に出た新しく出たツールで、入出力が豊富で、できることの幅が広いのが特徴です。Amazon.co.jpでは10,780円で販売されています(価格は執筆時時点)。今回は、Wi-Fi通信を使った天気表示と、画面上のアプリ内の作品と連動したゲームコントローラー的な使い方をご紹介します。

天気を表示する小型デバイスを作る

 「CyberPi」の搭載機能やプログラミングに使う「mBlock 5」の基本的な使い方は前回記事でチェックしてください。Web版やアプリ版もありますが、本記事ではWindows用デスクトップアプリで紹介します。

 「mBlock 5」はアカウントを作らなくても使用できますが、Wi-Fi通信で気象データを取得するには、mBlockのアカウントを作ってクラウドサーバーを使用できるようにする必要があります。アカウントを作成してログイン状態にしておきましょう。「mBlock 5」アプリから参照できるサンプルプログラムをアレンジして次のようなプログラムを作成しました。

❶アカウントを作ってログインしておく。❷[チュートリアル]-[サンプルプログラム]に参考なるプログラムが多数公開されている。❸[アップロードモード]を[オン]にして作業する。プログラムは本体にアップロードして動作確認する。❹IoT関連のプログラムに使うブロック

 まず、Wi-Fi接続させるステップ。

ジョイスティックの真ん中を押したら、Wi-Fiに接続する。接続したことがわかりやすいようにLEDの色や音で演出
「CyberPi」で実行したところ

 次に、ボタン[A]を押したときに天気を表示するプログラムを作成します。

ボタン[A]を押したら、東京の天気のデータを取得して表示する。プログラムはとても簡単
「CyberPi」で実行したところ

 ここでは天気と最高気温、最低気温だけ表示しましたが、他にも、PM2.5など大気の状態を表す値を取得したり、日の出・日の入り時刻なども取得できます。ボタンによって取得する気象情報の地域を変えるなどしても面白いですね。「CyberPi」はPCから切り離して単体で使えますから、いつでも電源を入れてボタンを押せば気象情報を表示できるデバイスとして活用できます。まさにIoT機器です。

 他にも特徴的なものとしては、音声認識や翻訳のAI機能も利用できるようになっています。言語対応や使い勝手は検証が必要ですが、可能性が広がります。

「mBlock 5」の画面内のキャラと連動

 もうひとつの特徴としては、「mBlock 5」アプリの画面内で展開する作品と連動させられることです。例えば次の図は、パンダのキャラクターを「CyberPi」を振るようにして動かしてコントロールし、ランダムに舞うハンバーガーをつかまえるというミニゲームです。1個食べられれば1点。プログラムの解説はしませんが、公開されているサンプルプログラムを参考に単純化して作り替えたものです。

「CyberPi」の動きに「mBlock 5」の画面内のキャラクターを追随させる設定はブロック1個でできる。図中には見えていないが、ハンバーガーとパンダ側にもそれぞれプログラムが作成してある
「CyberPi」を振るようにして、パンダを動かす。ハンバーガーを食べたら得点
実際に動かしているところ。ハンバーガーを食べた瞬間に「CyberPi」の方から音と光が出て反応するようにプログラムした。臨場感が出る

 画面との連動は、たとえばジョイスティックで画面内のキャラクターを上下左右に動かすなど、他にもいろいろな使い方ができます。もっと凝ったゲームを作り込んで、キャラの移動やいろいろなアクションをボタンに割り当ててコントローラーとして使うのもいいですね。

 2020年度から小学校でプログラミング教育が実施されています。これに伴い家庭でも手軽にプログラミングを学習できるツールが多数登場していますが、どんなツールを使えばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか? そこで本連載では家庭でのプログラミング教育にピッタリなお勧めツールを紹介していきたいと思います。