週末ゲーム

第577回

“ニコニコ自作ゲームフェス4”お勧め作品ピックアップ 第1回

「ウェポン・アリーナ」「Leanan-Sidhe」などRPG・ADV作品9本を紹介

“ニコニコ自作ゲームフェス4”公式サイト
「召喚指揮候補生」

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、ニコニコ動画にて開催されている自作ゲームの祭典“ニコニコ自作ゲームフェス4”の参加作品から、窓の杜編集部がピックアップした作品を全3回にわたりご紹介する。

 第1回は、RPGやアドベンチャーゲームに類する作品を紹介。なお、すでに窓の杜で紹介済みの作品としては、「召喚指揮候補生」(川崎部)もニコニコ自作ゲームフェス4参加作品だ。第6回“WOLF RPGエディター コンテスト”が初出の作品だが、その後ゲームバランスの調整など大幅なバージョンアップが施されている。

武器の特性と間合いを駆使して死闘を生き抜くバトルゲーム「ウェポン・アリーナ」

「ウェポン・アリーナ」
部位破壊を試みると攻撃が外れるリスクはあるが、当たれば効果は大きい

 非合法の地下闘技場でひたすら試合を続け、生き延びていくゲーム。間合いと効果の異なる多数の武器を使いこなし、敵の行動を読んで戦うのが醍醐味の作品だ。

 戦闘システムは敵と自分の行動が同時に起こったものとして判定される同時ターン制。戦闘画面の右上には、敵と自分の位置がシンボルで表示され、前進、後退コマンドで間合いを詰めたり広げたりできる。武器ごとに“自分から1~2マス先まで”、“3~4マス先に攻撃できるが懐に入られると攻撃できない”といった攻撃範囲が設定されているので、自分に優位な間合いを保つのが基本だ。

 武器は24種類も用意されており、各武器にはそれぞれ2種類の攻撃方法が存在。攻撃方法ごとに攻撃力や、使用時に消費する“気力”(必要値に足りないと行動できず、休憩コマンドで回復)が異なる。また、攻撃時に敵の足や腕を破壊して移動を阻害したり受けるダメージを減らせるもの、攻撃しながら距離を詰められるものなど効果はユニーク。

 戦術上のポイントは、敵が次にどの行動を選ぶかの確率が%表示されるので、ある程度の先読みが可能であること。『今は間合いの外だが、敵が距離を詰めて来そうなので攻撃』といった戦術を組める。さらに自分のみ、“仕込み武器”として専用のサブ武器を1つ持つことができ、これらを駆使して戦っていく。

 その点では自分側が有利だが、その分試合を重ねると、敵の体力はどんどん増加。こちらは初期値から一切変わらず、慎重な立ち回りが求められる。一方であまり“待ち”に徹すると観客が飽きて石を投げてくるなど、殺伐としたバトルが展開する。

 武器は支給されたものを使うほか、支給武器で戦うと貰える“購入券”で購入し、支給武器の代わりに使うことも可能。しかし武器は2回戦うと壊れるため、気に入った武器があっても使い続けることはできない。戦いを繰り返しながらさまざまな武器の扱いに精通していくのも本作の楽しみのひとつとなっている。

 プレイ時間は全30戦のストーリーモードが約1時間。クリア後にはより過酷な状況で戦うモードも解禁される。武器はスタンダードな刀剣や槍などから変わり種、伝説級のものまでバラエティ豊か。いろんな武器で戦ってみたい!というバトルマニアにお勧めの作品だ。

敵の残り体力が1になると攻撃力が上がるなど、戦況は常に変化する
支給されたり購入した武器は3つまで保有でき、保管庫で状態を確認可能。仕込み武器の交換もここで行える
次に戦う敵の武器を確認して使う武器を選び、応戦していく
武器はどれも一長一短。限られた保有数の中で何を選ぶかが重要となる
「ウェポン・アリーナ」
【著作権者】
yako 氏
【対応OS】
Windows Me/XP/Vista/7/8および64bit版の7/8
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(14/10/12)

自分・敵・NPCの能力値がごちゃ混ぜになるカオスRPG「シャッフルクエスト」

「シャッフルクエスト」
“シャッフル”の呪文によりステータスが変化。元は何の値だったのかはマウスオーバーすると表示される

 魔王を倒すために勇者が旅立つ、ノンフィールド型のRPG。1対1のコマンド戦闘で敵を倒しながら進んでいくという一見シンプル・オーソドックスな作りだが、伝説の呪文“シャッフル”により、この世界に存在するあらゆる敵・NPCそして勇者の能力値がランダムに入れ替わるのがユニークな点だ。

 この際、同じ能力同士ならまだしも“ラスボスのHPと勇者の攻撃力”など桁数が合わないような数値まで平気でシャッフルされるので、ゲームバランスは大崩壊。魔法の消費MPまでも入れ替えの対象なので、威力は高くても消費MPが最大MP以上で使えない、なんてことはざらにある。しかしシャッフルの呪文だけは必ず消費MP0で何度でも使えるため、自分に有利な値になるまで何度でも入れ替えが可能。

 とはいえ、すべての能力値が思い通りになることはまずないため、ある程度納得のいく値が引けたら冒険に出発。長所を活かし、短所をカバーしながら戦うのが面白い。敵も当然無茶な強さを持つことがあるので表示される能力値に目を配りながら、ときには逃げつつ戦っていく。“ワープ”の呪文により、町と最終到達エリアの間を相互にワープできるので、お金を貯めて武器を強化するのも重要。ただし、武器の攻撃力もランダムなのでここでも“シャッフル”の出番だ。

 1つ突出した能力があると冒険はぐっと楽になるが、ボス級のモンスターは特定能力値に補正がかかることもあるほか、物理攻撃や各種魔法への耐性のみ、モンスターごとに固定値。ときには能力値を変えて戦略の練り直しが必要になる。

魔王の住む地を守護するボス。偉そうな事を言っているがHPは9……
攻撃力9,999は脅威だがHPと素早さは低いので先手さえ取れれば……?
回復アイテムも、聖なる剣の攻撃力もランダム
消費MPが低く威力の高い魔法が1つあると安定する。ただし耐性には注意

 プレイ時間は公称で30分から1時間だがプレイヤーの運次第で大幅に変化する。判断を求められる場面もほどほどにあるが、基本的には“HPがスライム並みのドラゴン”などカオスな展開を楽しむゲームだ。

「シャッフルクエスト」
【著作権者】
フェヌム 氏
【対応OS】
Webブラウザー
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-(14/09/25)

雪女と一族の因縁を描く、スタイリッシュな剣客浪漫ADV「雪絵 -戦闘付き和風ADV-」

「雪絵 -戦闘付き和風ADV-」
一族の宿敵・雪絵との因縁が描かれる

 人の命を奪う雪女“雪絵”と、雪絵に見初められた一族の因縁を描く和風アドベンチャーゲーム。一族の末裔で、雪絵への復讐を誓う“雪路”を主人公に物語が展開する。

 サイドビューのフィールドを雪路が進むたびに、朗読劇のようにボイス付きでシナリオが語られるという独特のスタイルで進行。またアクション要素のある戦闘も発生し、こちらは雪路の能力“心眼”により、敵の殺気を“音”で察知してすばやくボタンを押すことで斬り倒していく。

 モノトーンで描かれる雪の世界、抑揚を押し殺したような渋いボイス、シャリン、という鞘走りのSEと共に敵が真っ二つになる戦闘など、あらゆる演出が世界観と人物を格好良く描くことに注がれており、スタイリッシュな剣客浪漫という趣。物語を進めると、ただ殺し殺されるだけの間柄ではない一族と雪絵の深い縁もあらわになっていく。父・鉄路をはじめとする先祖の魂と邂逅し、過酷で哀しい真実に触れていく雪路の成長も見所だ。

音で敵の殺気を察知し、ボタンを押して斬り倒していく

 先祖との邂逅ではその“技”を受け継ぎ、戦闘面でもザコを一掃する追撃技、方向キーの入力で敵の追撃を防御する技などを会得していく。後半のボス戦では左右から来る龍の息吹を連続で聞き分けて防いだり、一瞬の遅れが命取りになる剣豪との勝負もあったりと、まさに死闘の連続。刹那の戦いの有様を目と耳と手で存分に感じることができ、没入感は高い。

 プレイ時間はプレイヤースキルにもよるが、おおむね3時間~4時間ほど。なお、ゲーム開始直後は移動が遅くややストレスを感じるかもしれないが、すぐに父・鉄路の技“韋駄天”を受け継いでダッシュ移動が可能になるのでご安心を。

先祖の魂と邂逅し、技を受け継いで雪路は成長していく
「雪絵 -戦闘付き和風ADV-」
【著作権者】
ImCyan
【対応OS】
Windows XP/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.10(14/10/18)

緩急のついた戦闘アニメとキャラカスタマイズが魅力の短編RPG「三姉妹の冒険」

「三姉妹の冒険」
スキルごとの戦闘アニメーションが見所。テンポを損なわない範囲で適度に“溜め”が入るアクションは見ていて気持ちがいい

 とある目的で旅を続ける三姉妹を主人公とした短編RPG。描き込まれたドット絵のキャラクターによる緩急のついた戦闘アニメーションが映える、サイドビューの戦闘が大きな見所となっている。スキル発動に必要なMPは戦闘中の行動で貯まっていく方式(一般的にTPやSPと言われるようなものに相当)のため、出し惜しみせずどんどんスキルを使えるのも楽しい。

 システム面での特徴は、いじりがいのあるキャラクターカスタマイズ。三姉妹の武器はそれぞれ固定で、“力の源”というアイテムをセットすることでレベルが上がり、攻撃力が上昇するほか5レベルごとに強力なスキルを習得する。“力の源”はいつでも自由に付け外しができるので、戦術や好みに応じて、“力の源”を誰にどのくらい割り振るかという試行錯誤が楽しめるわけだ。

 また、三姉妹は主に防御力が上がる腕輪を1つ、加えて各種パラメーター変動や属性攻撃への耐性上昇、MP自動上昇といった効果をもつ装飾品を4つ装備でき、元々の能力に対して装備品によるカスタマイズの余地が非常に大きい。キャラクター自体のレベルアップで習得するスキルも長女は他の二人を庇うものなどそれぞれ特徴があり、役割分担を考えて装備品を選ぶのが重要だ。

“力の源”を利用して武器を強化
さまざまな効果をもつ装備品、とくに装飾品の組み合わせがポイント

 プレイ時間は4時間ほど。物語はサクサク進行し、装備品も新しいものがどんどん手に入る。難易度はほどほどだが、シンボルエンカウントのためザコ戦を適度にスキップしていくとボス戦はなかなかの歯応えといった所。旅先で出会う人々の力を借りて目的へと突き進む展開も小気味よく、RPGのスタンダードな面白さを凝縮した佳作と言えそうだ。

「三姉妹の冒険」
【著作権者】
アカ 氏
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8および64bit版のVista/7/8
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.01(14/10/16)

条件指定でバッチを組んでスキルを駆使するバトルRPG「デバッグモード」

「デバッグモード」

 仮想世界のバグを退治すべく、デバッガーとして戦いを繰り広げて行くRPG。フィールドなどはなく、ステージを選んで戦闘を行い、敵を倒すことでストーリーが進んでいく。

 サイドビューで展開する戦闘は、敵・味方ともに設定された待ち時間が0になると行動するATB風のオートバトル。特徴は、それぞれのキャラクターの行動を、あらかじめ“敵の数が○体以上”“仲間誰かの耐久力が○%未満”といった条件と使用するスキルの組み合わせにより“バッチ”として複数登録するというシステム。これによって状況に応じた戦術を組み立てて行くのが醍醐味となっている。

 パーティメンバーは主人公とデバッグAI(見た目は少女)のエルが固定、他に倒したバグが仲間になることもあり、最大5人(5体?)まで増やせる。スキルは戦った相手のものを覚えていき、コストの範囲で自由にセットする仕組みで、物理攻撃のほか炎・電気・水の属性攻撃も。戦った相手に応じて“○属性が弱点の敵がいた場合”といったバッチ条件も増えていき、どんどん戦術の幅が広がっていくのが面白い。

 ただし、強いスキルは待ち時間が多かったり、強力な属性攻撃スキルはセットすると別の属性が弱点になるという副作用も。仲間となったバグは行動が早い、回復スキルの効果が高いといったパラメーターの違いのほか、特定属性への耐性があるもの(この場合スキルによる弱点付与の副作用も受けない)も居るため、パーティ内での役割分担が重要になる。なお、主人公とエルはHPが0になっても戦闘が終われば復活するが、バグはそのままロストしてしまう。

 とくにゲーム後半からは特定属性の吸収・反射といった効果をもつバグも入り交じり、適時条件を見直しながらの戦いとなる。プレイ時間は公称1~2時間だが、筆者の場合は終盤のボスがなかなか手強く、実プレイ時間は終盤に到達するまで2時間+終盤での仲間バグ集めとレベリングに1時間ほどとなった。とはいえ、勝てる編成さえ組んでしまえば戦闘は放置できるのでレベリングもそれほど苦ではない。ちょっとしたバグ退治のつもりが、仮想世界の行く末にも関わる事態へと発展していくシナリオも見所だ。

あらかじめ設定したバッチに従い、オートで戦闘が行われる
「デバッグモード」
【著作権者】
アトリエおえっおえ
【対応OS】
Android 1.6以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
23(14/10/05)

選択と検索で進行する同居系恋愛ADV「Leanan-Sidhe」

「Leanan-Sidhe」

 不思議な少女・ココロと同居する大学生・詩郎が主人公のアドベンチャーゲーム。

 話す、遊ぶ、デートというコマンドと話題や行き先などを選んでココロと交流し、好感度を上げたりココロの性格が徐々に変わったり……といったオーソドックスな恋愛ADVの作りに加え、緑色で表示される言葉を(ゲーム内の)インターネットで文字入力して検索することにより、さまざまな情報が表示されるのがポイント。ときにはこれが物語を進めるキーとなる。

 甲斐甲斐しい後輩系といった雰囲気のココロが日常のちょっとした話題やゲームの勝敗で笑ったり拗ねたりするのは可愛らしく、癒やされる。だが、特定の行動に拒否感を示すココロ、欠落した記憶、ニュースから飛び込んでくるあるキーワード……などなど、この心地よい生活への違和感を徐々に覚える展開も。検索で真実に迫り、その先を選択していくという意味でもアドベンチャーゲームらしい作品に仕上がっている。

ココロとの会話を楽しみながら、少しずつ物語を進めていく
インターネット検索画面。物語に直接関係ない小ネタも多数
「Leanan-Sidhe」
【著作権者】
カナヲ 氏
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8および64bit版のVista/7/8
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(14/10/12)

9割の馬鹿騒ぎと1割の熱血、おおむねバスケを題材にした青春(笑)ノベルゲーム「FOUL5」

「FOUL5」

 かつては天才バスケ選手、今はただの変態女子高生な主人公“木崎姫歌”が、男子バスケ部の立て直しに奔走する姿を脱線しまくりながら描くノベルゲーム。“5回ファウル(バスケでは即退場)”の意味をもつタイトル通り、下ネタあり、パロディありのギリギリな内容と、カットインや視点変更を多用した動的な画面作りが特徴の作品となっている。

 “校長が『もしドラ』にハマったから”という理由で休部中だった男子バスケ部の立て直しを命じられ、嫌々ながら部員集を始める姫歌だが、集まる人材も一見常識人だが弟を溺愛しすぎる“相羽吾蓮”、キザなセクハラ野郎“甲尾菜亜”など癖のある者ばかり。水着練習(バスケなのに)や入部希望者をストーカーと勘違いする事件など、姫歌の友人達も巻き込みつつドタバタ騒動が展開する。

よくわからない人達

 一方、中学時代からの友人で、現女子バスケ部員の“九手いくる”と姫歌の因縁なども描かれ、一度は離れたバスケに対する複雑な思いが垣間見える場面も。そんな中で迎える終盤の試合シーンは、躍動感のある動的演出あり、心理的駆け引きあり。何だかんだで義理堅い姫歌と仲間達の奮闘は圧巻だ。

 9割の馬鹿騒ぎと1割の熱血に、笑って、最後にちょっと熱くなる。プレイ時間は2~3時間ほどでバスケ部結成の物語としては一段落するが、次回作に持ち越しの伏線などもあり、今後の展開も楽しみな作品となっている。

終盤の試合シーンは圧巻
「FOUL5」
【著作権者】
りょーへいかい
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8および64bit版のVista/7/8
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(14/07/17)

海辺の田舎町を舞台に、ある兄妹の謎に迫る分岐ノベルゲーム「青の呼声」

「青の呼声」

 突然大学を辞めて田舎へと戻った友人を訪ねた主人公が、友人とその妹が抱える秘密に巻き込まれていくサスペンス・ノベルゲーム。いくつかの選択肢により6つのエンディングに分岐し、総プレイ時間は1~2時間。ほどほどのボリュームと難易度で、ちょっとした行動の違いが後に響き、主人公の運命が左右されていくさまを堪能できる。

 急激にやつれてしまった友人や半身に包帯を巻いたその妹に疑問を抱きつつも力になれればと考える主人公や、友情と家族愛の狭間で悩む友人の心情などが落ち着いた筆致で描かれ、しかしやがて恐怖と狂気が忍び寄る。薄暗い闇を背景に描かれる、幻想的なイラストも見所となっている。

 なお作中では明言されないが、“~の呼声”というタイトルや海辺の田舎町という舞台など、人によってはいくつかのモチーフにピンと来るかもしれない。その筋の人にもお勧めの作品だ。

「青の呼声」
【著作権者】
手塚 ユキア 氏
【対応OS】
Windows 98/Me/2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(14/08/30)

サイボーグ少女と“普通”な友人のエクストリームな友情を描く短編ノベル「ホマレズフレンド」

「ホマレズフレンド」

 世界に名だたる大富豪の娘で才能にも恵まれていたが、10歳で事故により全身サイボーグとなった少女“北野誉”と、その友人“りっちゃん”の奇妙な友情を描いた短編ノベルゲーム。

 過去の経緯から異常に過保護な父親の影響で外出時も厳重な警備がつく誉と、そんな誉と“ボディーガードに銃を突き付けられ、嘘発見機や怪しい機械を取り付けられつつも”自然体で付き合えてしまう“りっちゃん”のコントのような掛け合いが、ピクトグラムを多用した画面でコミカルに描かれる。幼児園時代に中二病を患い世界支配を夢見ていたという誉のキャラクターも強烈だ。

 プレイ時間は40分ほど。エクストリームでテンポのよい会話に笑いつつ、“普通”でありたいと望む少女とそれを支える少女の友情が垣間見える場面も。短いエピソードによる話数仕立てで、気軽に楽しめる作品となっている。

「ホマレズフレンド」
【著作権者】
手塚 ユキア 氏
【対応OS】
Windows 98/Me/2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.00(14/08/30)

(中村 友次郎)