石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』
約10万円のレバーレスコントローラーが登場 ~ミズノのスポーツDNAで作られた最高級品
ついに発売が決まった「Steam Controller」も高価になりそう
2026年4月30日 16:49
高価なゲームコントローラーの話題
今週はゲームコントローラーの話題が2つある。総合スポーツメーカーのミズノがeスポーツ向けデバイスとして、レバーレスコントローラー「コントローラー Hagibis」を発表。そしてゲーム配信プラットフォーム「Steam」のオリジナルゲームパッド「Steam Controller」の発売日が決まった。
両方ともユニークなゲームコントローラーなのだが、筆者は『この価格は高いと感じる人が多いのでは』という印象を受けた。製品の概要と、今わかっている価格周りの情報をお伝えしよう。
ミズノのレバーレスコントローラーはなぜ高い?
ミズノは今回、主に格闘ゲームで使われるレバーレスコントローラーと、ゲーミングチェアを発表した。長年スポーツと関わってきた同社が、eスポーツにも展開するのは自然な流れと言える。
ニュースリリースによると、5月1日午前8時から、「Makuake」で予約受注を開始するとしている。ゲーミングチェアの「ゲーミングチェア Hagibis」は121,000円。ゲーミングチェアとしてはかなり高価だが、高級オフィスチェアなどと見比べるとまだ控え目にも見える。
一方の「コントローラー Hagibis」は、99,000円。レバーレスコントローラーは数万円する高価な機種も多いものの、10万円近いものは市販されている製品では見かけない。なぜこんなに高価になったのか。
最も大きいのは、ミズノのスポーツに対する姿勢だ。スポーツ用品においては、やるからには他社に負けない品質と独自性が求められる。eスポーツにおいても、他社製品を凌駕する性能であることを第一に求め、価格を度外視したプロ向けのハイエンド製品から展開を始めたというのは納得できる。
製造国が日本となっているのもポイント。スポーツ用品においても、上級者向けの製品は日本で製造し、初心者・中級者向けの製品は海外で製造するというのが一般的だ。日本製のものは熟練の職人の手で品質にこだわって製造された、プレミアムな製品という位置づけになる。本機がどのように製造されたかは明らかになってはいないが……。
製品の独自性という点では、左右非対称のエルゴノミクス設計を採用している。世にある多くのレバーレスコントローラーは、1枚の平面板にボタンを配置しているが、本機は左右のボタンをセパレートに配置して、自然な姿勢で操作できるデザインを採用している。ミズノが持つアスリートの知見を取り入れた結果だ。なお開発にはプロ選手であるTEAM iXAのACQUA氏が協力している。
さらに、対応機種にPlayStationプラットフォームが含まれているのも価格に影響する。PS5に対応するには公式ライセンスが必要で、その分価格が高くなってしまうためだ。本機ではBrook製のユニバーサルファイティングボード GEN-5を採用しており、PS5への対応や高い性能が担保されるものの、これもまた高コストの一因になる。
このほか、カプコンとのコラボレーションで「ストリートファイター6」のキャラクター「ジュリ」がデザインされている。人気タイトルとのコラボだというだけでなく、カプコンがお墨付きを与えた製品と受け取れるので、安心感が増す。ミズノは大阪の会社なので、同じ大阪にあるカプコンと組むのも納得がいく。
ミズノとしては、他社がやっていないことを最初からできるだけやっていく、という姿勢がはっきりと出ている。逆に、他社のように高いポーリングレートやボタンの性能といった、スペック競争になる部分は表立って語られていない。ここまでやっておいて品質が悪いということはないと思うが、『他所とは競っている場所が違う』という明確なメッセージが感じられる。
一言でいえば、本機は『高くても構わない』商品だ。むしろ高い方が信頼できそうという、ブランド力ありきの商品とも言える。
あとはユーザー側が99,000円という価格に納得できるかどうかだけの話。ミズノのブランドと実績を信頼して購入できるスポーツ用品とは違い、1発目の商品にこれだけの金額を払うのはなかなか難しい。特に最初は店頭販売ではなく、オンラインでの受注販売となるだけに、ハードルは高そうだ。
ミズノは5月1日から3日にかけて東京ビッグサイトで開催されるeスポーツイベント「EVO JAPAN 2026」にブースを出展し、本機の試遊コーナーを設ける。興味がある方はこちらで触って検討してみては。
「Steam Controller」も2万円近くになりそう
もう1つの「Steam Controller」は、昨年末に発表されながらも発売に至っていなかった新しい「Steam」ハードウェアの1つ。
ポータブルゲーミングPC「Steam Deck」のインターフェイスを踏襲した、触覚フィードバック機能を搭載した2つのトラックパッドを搭載しているのが特徴。耐久性の高いTMRセンサー採用アナログスティックや、4つの背面ボタンを搭載している。
ゲームパッドとしてもかなり高性能な上、他にはない2つのトラックパッドも搭載したことで、価格もかなり高くなりそうだと見られていた。そして今週になって、本機が5月5日(日本時間)に発売されることが発表された。
価格は米国では99米ドル、欧州では99ユーロとなっている。日本では「Steam Deck」と同様にKOMODO経由で販売されるが、4月28日時点ではまだ価格が発表されていない。日本円ではいくらになりそうか考えてみる。
99米ドルは、1ドル160円換算で15,840円。99ユーロは、1ユーロ186円換算で18,414円。欧州の方が高く設定されているように見えるが、ユーロはVAT(付加価値税)込みの価格となっているため、実質的にはそれほど差はない。
日本の価格を想定するため、「Steam Deck」の価格を比較してみよう。1TBモデルは114,800円。米国では649米ドルで、1ドル160円換算で103,840円。679ユーロは126,294円という設定だ。
欧州の高いVATに比べれば、日本の消費税はまだ低い。また米国の価格はいわゆる税抜価格なので、実際にはもう少し上乗せされる。ということは、米ドル価格よりは高いが、ユーロ価格よりは安い、というあたりが想定される。
おそらく17,000~18,000円くらいかと思われるが、昨今は物流費も上がっているので、日本ではもう少し高くなる可能性もある。おそらく2万円はいかないだろう、というくらいだろうか。
[追記] 「Steam Controller」のKOMODOでの取り扱い詳細が発表された。価格は17,800円で、5月5日午前2時より販売される予定(4月29日現在は売り切れの表示だが、受注前だと思われる)。
単品で2万円近いゲームパッドとなると、これもまた高級品の部類に入る。家庭用ゲーム大手3社のゲームパッドも、単体で1万円前後にはなっているが、かなり差は大きい。ただ機能的な面を考えれば、それくらいの価格になっても仕方ないようには思う。
本機がないと遊べないゲームが登場するわけではないと思うが、普段「Steam」でゲームを遊んでいる方にとっては、本機が今後の標準になっていく可能性はある。今すぐ買うかどうかはともかく、「Steam Machine」を含めてハードウェアの動向は気にかけておいて損はない。
日本のゲーマーはどちらかというと、『5月5日に日本で入手可能なのか?』の方が気になっているとは思うが。もう1週間しかないので、早く価格も含めて発表してもらいたいものだ。
1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/
PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。























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