やじうまの杜

そのMac、更新して大丈夫? ~「macOS Catalina」へ移行する前にチェックしたいポイント(10月9日追記)

「Adobe Creative Cloud」製品の一部が利用不能になるなど、32bitアプリ終了の影響大

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正式リリースされた「macOS Catalina」

 macOSの最新版「macOS Catalina」が正式リリースされました。このバージョンではさまざまな機能改善が行われていますが、いくつか注意すべき点もあるようです。

対応するMacは?

 「macOS Catalina」の対応デバイスは、“2012年中期(Mid 2012)以降に発売されたMac”だそうです。それより古いMacは古いバージョンで我慢するか、買い替えるしかありません。

32bitアプリがサポートされない

 AppleはかねてよりmacOSアプリの64bit移行を開発者に促してきました(参考記事:macOSで32bitアプリを起動すると警告表示 - PC Watch)が、「macOS Catalina」からはとうとう32bitアプリが動作しなくなります。64bit版が用意されていれば問題はありませんが、更新の滞っている古いアプリのなかには「macOS Catalina」で利用できなくなるものも出てくるでしょう。

 また、周辺機器の対応にも注意が必要です。プリンターやスキャナーをはじめ、外部機器を利用している場合はユーティリティやドライバーが「macOS Catalina」に対応しているかをあらかじめ確認しておきましょう。

10月9日追記: 「Adobe Creative Cloud」製品の一部でも問題が確認されているとのこと。

  • Adobe Creative Cloud :2018以前のバージョンは「macOS Catalina」に未対応。Creative Cloudパッケージの一部に抽出できない不具合
  • Lightroom Classic:v8.4.1が動作するが、既知の互換性問題あり
  • Photoshop:v20.0.6以降で動作するが、既知の互換性問題あり
  • Adobe Captivate:2019年秋に対応予定

「iTunes」は3分割

 長らく親しまれてきた「iTunes」アプリは機能が分割され、「Apple Music」、「Apple TV」、「Apple Podcast」にそれぞれ引き継がれました。iPhone/iPadなどのiOSデバイスの管理は、「Finder」で行うようになります。

 ライブラリなどのユーザーデータは自動で新しいアプリに引き継がれるはずですが、なかにはOSアップレート後の初期セットアップが停止してしまい、Macを強制再起動したらライブラリが破損したといった事例も見受けられますので、アップグレード前にしっかりデータのバックアップを取っておくことをお勧めします。

勝手にデスクトップへ作られる“場所が変更された項目”フォルダーってなに?

勝手にデスクトップへ作られる“場所が変更された項目”フォルダー

 「macOS Catalina」ではセキュリティが強化され、読み取り専用のシステムボリュームと書き込み可能なデータボリュームが分けられることになりました。その影響で、システムボリュームに置いておけなくなったファイルが、アップグレードの際にデスクトップの“場所が変更された項目”フォルダーに移されています。

 知らなければちょっとビックリするかもしれませんが、これは正常な動作です。削除する前に内容を確かめ、必要なものがあれば適切な場所にコピーしておきましょう。

デフォルトシェルが「zsh」に

 コマンドをあまり使わない人には関係のない変更ですが、「macOS Catalina」ではデフォルトのシェルが「bash」から「zsh」に変更されています。

 「zsh」の方が「bash」よりも高機能ですが、動作に互換性がないところも少しあります。元に戻したい場合は、システム環境設定の[ユーザとグループ]パネルで変更が可能です。

スマートカードへの対応

 一般のユーザーには関係ありませんが、企業でMacを利用している場合、“TokenD”を使ったレガシーのスマートカード対応がデフォルトで無効になっているので注意してください。最新の“CryptoTokenKit”ベースのスマートカードサービスへ移行する必要があります。