やじうまの杜
「Thunderbird 78」への対応がキビしい! アドオン開発者が“Kickstarter”で支援を呼びかける
「後で送信(Send Later)」など約10個のアドオンが存続の危機
2020年1月28日 14:03
“やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
「Thunderbird」アドオンの開発者が、クラウドファンディングサイト“Kickstarter”で資金を募っています。目標額は5,455,126円(50,000米ドル)。締め切りまであと55日を残した執筆時の段階で、すでに半分弱の約240万円を集めているようです。
資金を募っているのは、Jonathan Kamens氏。オリジナルの開発者がメンテナンスをやめてしまった「後で送信(Send Later)」アドオンを引き継いだのを皮切りに、10個以上もの「Thunderbird」アドオンを自作・公開しているデベロッパーです(メンテナンス中のものは9個)。
「Thunderbird」では現在、古いXULベースのアドオンを「Firefox」でも採用されている“WebExtensions”へ移行する取り組みを進めています。氏はこれに対応するため、「Thunderbird 68」のリリース前に大幅なアドインの修正を行いましたが、きたるべき「Thunderbird 78」ではより多くの修正が必要となるとのこと。氏だけでボランティアによるメンテナンスを継続するのは困難となってしまい、アドオンをサブスクリプション(定期購読)モデルに移行せざるを得なかったといいます。
今回のクラウドファンディングでは以下のプレッジ(支援)が用意されています。
- 5米ドル以上:1つのアドオンを2年間利用可能
- 10米ドル以上:3つのアドオンを2年間利用可能
- 25米ドル以上:1つのアドオンを永久に利用可能
- 50米ドル以上:将来リリースするアドオンも含め、すべてのアドオンを永久に利用可能
氏はなにも金銭を獲得することに執着しているというわけではなく、このキャンペーンをきっかけにアドオンのメンテナンスを無償で引き受ける開発者が見つかれば、その開発者に寄付金を譲るとのこと。サブスクリプション制に移行するのか、無償での提供が続くのか、はたまたプロジェクトそのものが終了してしまうのか……今後の動向が注目されます。