やじうまの杜

“セーフガードホールド”ってなに? ~Microsoftがサポートページで詳細を案内

検証のためにオプトアウトすることもできるが、利用の際は十分注意!

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“セーフガードホールド”が適用された端末

 「Windows 10」の大規模アップデートで不具合が発見されると耳にするのが“セーフガードホールド”(Safeguard holds)という言葉です。要するに、アップグレードするとトラブルになることが確認されているハードウェアやソフトウェアがインストールされている環境に対し、不具合の修正が完了するまでの間、アップデートの提供を一時的に停止(ブロック)する措置のことです(参考記事)。

 Microsoftは年2回の大規模アップデート(機能更新)を配信するにあたり、トラブルの報告を慎重に監視しながら、ユーザーの一部から徐々に対象を拡大させていく方法をとっています。更新プログラムの適用に失敗してロールバックが発生したり、データが失われたり、主要な機能が利用できなくなったといったトラブルが報告されると、Microsoftはそれと同じハードウェア・ソフトウェア構成の環境へのアップデート提供を一時的に中断し、同じトラブルが発生するのを未然に防止します。これが“セーフガードホールド”です。

 理想を言えば出荷前にあらゆる機能がテストされるべきですが、「Windows 10」のコードベースは巨大かつ複雑。社内テストや“Insider Preview Program”でのテストも行われていますが、すべての問題を洗い出すことはできません。また、サードパーティーのベンダーにしてもプレビュー版でドライバーやソフトウェアを検証してくれるほど協力的であるとは限らず、結局製品版がリリースされてからさまざまな問題が表面化することになります。運悪く“人柱”になってしまったユーザーには納得いかないでしょうが、“セーフガードホールド”の仕組みは犠牲者を少しでも少なくするための次善の策としては有効と言えるでしょう――とはいえ、自社製品ぐらいはしっかり互換性チェックをしてほしいものですが。

 “セーフガードホールド”がいつ解除されるかは、問題の調査と修正に要する時間によって異なります。トラブルが解決されても急に“セーフガードホールド”が全面解除されるわけではないようです。また、該当する既知の問題が1つであるとは限らないため、ある問題が解決されたからと言って自分の端末の“セーフガードホールド”がすぐに解除されるわけでもありません。“バージョン 2004すらまだ受け取れてないのに、20H2がリリースされてしまった”という声も多く聞かれますが(筆者が今使っているPCもまさにそれです!)、辛抱強く待つしかなさそうです。

 ちなみに、“セーフガードホールド”が適用されるのは“Windows Update”サービスを利用しているデバイスのみです。インストールメディアを利用したり、“WSUS(Windows Server Update Service)”を利用している場合、“セーフガードホールド”では守られないので注意してください。IT管理者は“Windows リリースヘルスダッシュボード”や“Update Compliance”から情報を最新の入手し、アップグレードを適切に管理する必要があるでしょう。セーフガードホールドをオプトアウトしてトラブルが許容範囲内であるかどうかをテストすることもできますが、あくまでも検証目的なので利用の際はくれぐれもご注意を。