やじうまの杜

「Excel」のセル結合はやはり悪……見た目は同じなのに結果が違うシートを作れてしまう

「Excel 2000」の時代からある不具合

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同じ数式なのに計算結果が違う

 まずは上に掲げた「Microsoft Excel」のスクリーンショットをご覧ください。それぞれの行の右端にはいずれも合計を求める数式(SUM)が書かれていますが、結果が異なります。なんでこんなことが……!?

 これは「Excel 2000」の時代からある不具合のようで、結合したセルに値を「数式」として貼り付けた場合にのみ発生するのだそうです。Microsoftも認知していますが、いまだ解消されていません。

結合したセルに値を「数式」として貼り付け
問題の再現

 「Excel」には複数の貼り付け形式がありますが、通常の貼り付けの場合と「数式」貼り付けの場合では内部での扱いが異なります。通常の貼り付けの場合は結合セルを1つとして扱い、「1」が1つだけ挿入されます(1+空白+空白+空白=2)が、「数式」貼り付けの場合は結合したはずの内部セルそれぞれに「1」が挿入される(1+1+1+1=2)ようなのです。

見た目
内部での扱い

 こんなの、「Excel」の仕様(?)をあらかじめ知らなければ気付きようがないですね! たとえ知っていても、大量のデータの中に紛れ込んでいると誤りを見つけ出すのは難しそうです。

 対策としてはやはり、「セルの結合をなるべく使わない」に尽きるのかなと思います。セル結合は悪!

 ちなみに、結合セルへ「値」として貼り付けた場合は警告メッセージが表示され、作業が中断されます。

結合セルへ「値」として貼り付けた場合

 また、すでに合計に使われているデータセルを結合した場合も警告メッセージが表示されます。左上のセルのデータのみが保持され、他のデータは破棄されますので、先ほどの例で言うと通常の貼り付けと同じ計算結果になります。

すでに合計に使われているデータセルを結合した場合