いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】ダメなのはわかっているけどセルを結合したい! エクセルで「セルの結合」の代わりに使える機能とは

セルの結合はすべきではない?!

 Excelを使って表を作成する際、複数のセルを結合して1つのセルのように扱いたいということはありませんか。例えば次の「売上表」のように、複数のセルを結合して表の見出しを作成する(①)と、見やすい表になりますよね。

 この「セルの結合」機能は、使い方によっては役に立つものですが、一方で厄介な点もあります。

 例えば、データをコピー&ペーストする際にうまくいかなかったり、表の行や列を選択したい時に不便だったりする問題があります。

 また、次の「会員名簿」は結合セルが含まれる表の例ですが、[データ](②)→[昇順](③)をクリックしてデータを並べ替えようとすると、エラーが出てうまくいきません(④)。

 このように、さまざまな不便があるため、セルの結合はよくないとされることもあります。

 でも実は、こういった場面で「セルの結合」機能に代わって利用できる方法があります。それは、「選択範囲内で中央に揃える」という機能です。この方法を使えば、先に述べたような問題を解決できます。

選択範囲内で中央に揃える

 では、セル結合の代わりに、「選択範囲内で中央に揃える」という機能を試してみましょう。この機能では、入力された文字列を、選択したセル範囲内で中央に表示することで、実際にセルを結合していなくても、セルが結合されているかのように見せることができます。

 次の「会員名簿」の例で、セル結合をせずに、セルD4に入力された「不明」という文字列をセルD4とセルE4を中央に表示してみましょう。セル範囲D5:E5(①)を選択して、[ホーム]タブ(②)の[配置]にある矢印ボタン(③)をクリックします。

 [セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。[配置]タブ(④)が表示されているのを確認し、[横位置]欄のドロップダウンリストから[選択範囲内で中央](⑤)を選択します。

 設定できたら、[OK](⑥)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 シートに戻ると、確かに選択されたセル範囲で中央(セルD5とセルE5の中央)に表示されていますね(⑦)。

 セルを結合しているわけではないので、コピー&ペーストや行・列の選択、データの並べ替えなども問題なくできます。

 なお、この「選択範囲内で中央に揃える」という機能は、横方向に文字列を表示する場合にのみ使用できます。縦方向に文字列を表示したい場合には使用できません。

セルの結合は用途に応じて行うのがベター

 今回は、セル結合の代わりに使用できる「選択範囲内で中央に揃える」という方法を解説しました。作成する表の目的が表示のみだったり、見た目を重視する表だったりする場合は、セルの結合を行っても問題ない場合が多いです。ただし、並べ替えや絞り込みなどのデータ操作を行う場合は、結合しないほうがよいでしょう。ぜひ、用途に分けて使ってみてくださいね。