いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】セル結合のせいでデータが分析できない! エクセルで結合セルを含む表をデータベースとして機能させる方法

並べ替えやフィルターが機能する表に変換できる?!

 Excelは、売上表や営業成績表などを作成したり、その表の内容を分析したりするのに大変便利なツールですよね。でも、表の作り方次第では、Excelの利点を十分に活かせない場合があります。

 例として、次の「顧客別売上表」を見てみましょう。ぱっと見では、わかりやすい表になっているように感じますが、A列のセルが結合されている(①)ため、このままではデータベースとしての機能(並べ替えやフィルター)を使うことができません。

 データベースとしての機能を正しく利用するには、1行につき1件のデータを入力することが原則です。今回は、セル結合の含まれる表を、データベースで使用できる表に変身させる方法を解説します。シンプルな手順で簡単に変換できるので、覚えておくと、きっと役に立つと思いますよ!

セルの結合を解除する

 並べ替えやフィルターを使用できる表にするには、セルの結合を解除する必要があります。セル範囲A4:A:17(①)を選択し、[ホーム]タブ(②)をクリックします。選択された状態の[セルを結合して中央揃え](③)をクリックして選択をオフにします。

 セルの結合が解除されました(④)。「東日本エリア」と「西日本エリア」の文字列はセルA4とセルA11にそれぞれ移動し(⑤)、他のセルは空白となります。

 ひとまず、第1ステップはここまでで完了です。ただし、他のセルにも「東日本エリア」または「西日本エリア」と入力しないと、並べ替えやフィルターをうまく使えません。次の項では、これらの文字列で、簡単に空白セルを埋める方法を解説します。

空白セルを埋める

 前項の操作で結合されたセルはなくなりましたが、A列にたくさんの空白セルができてしまいました。この項では、これらの空白セルに「東日本エリア」や「西日本エリア」と一瞬で入力する方法を解説します。操作のポイントは、いずれの空白セルも、それぞれ1つ上のセルと同じ文字列を表示すればよい、という考え方です。

 では、さっそくやっていきます。A列の空白セルをすべて選択しますが、まずはセル範囲A5:A10をドラッグして選択(①)します。

 続けて、[Ctrl]キーを押しながら、セル範囲A12:A17ドラッグ(②)して選択します。

 これで空白セルをすべて選択できました。

 空白セルを選択したら、そのまま「=」を入力し、続けて[↑]キーを押します。すると、セルA12に「=A11」(③)と表示されます。これは、セルA12にセルA11と同じ内容を表示するという意味です。先ほど説明した「1つ上と同じ文字列を入力する」という数式になります。

 数式が入力できたら、[Ctrl]+[Enter]キーを押します。[Ctrl]+[Enter]キーを押すと、セルA12に入力した数式を、選択されたすべてのセルに一括で入力できます。よって、すべての空白セルに「1つ上と同じ文字列を入力する」という数式を入力できるのです。

 数式が確定されると、すべての空白セルに文字列が表示されていますね(④)。

 あっという間に空白セルを埋めることができました。罫線が崩れてしまっているので調整したら、データベース機能に対応した表の完成です。

用途によって表の形式を考えよう

 今回は、結合セルの含まれる表から、並べ替えやフィルターを使用できる表に変身させる方法を解説しました。セルの結合を使用した表は、一見するとわかりやすい表に思えるので、そのような表を作成する人は少なくないでしょう。でも、表の作成後に、並べ替えやフィルターなどを行いたい場合は不向きです。

 結合セルの含まれる表をデータ分析に使用したい場合は、ぜひ今回の方法を使ってみてくださいね。