やじうまの杜

Twitterの良質「コミュニティ ノート」を集めたアカウントが知見いっぱいで面白い

多様な意見に触れて目を開こう

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 先日、「Twitter」に「コミュニティ ノート」という機能が導入されました。百聞は一見に如かずということで、どういうものかを見ていただきましょう。

「コミュニティ ノート」の例

 これは「Impress Watch」が「コミュニティ ノート」のリリースを報じたツイートに付けられた「コミュニティ ノート」です。まったく無関係の方のツイートとノートを紹介するのはちょっと憚れるので、あえてチョイスしてみました。このケースでは、タイトルに語弊があるのではという疑義のノートが付与されています。

 人間は無知や思い込み、誤解、虚栄心などから自由ではいられず、また一般ユーザーのツイート(や多くのメディア記事のタイトル)には字数制限があるので、ときどき背景情報が十分ではない投稿がなされる場合がありますが、それを補うのが「コミュニティ ノート」の役割といえるでしょう。

 「コミュニティ ノート」でぜひ押さえておいてほしいポイントはいくつかあります。

  • コミュニティが主導:ノートを作成したり、評価するのはユーザーであり、「Twitter」の運営チームではありません。ノートの作成・評価に加わりたい場合は、協力者として登録するとよいでしょう
  • 人気コンテストではない:ノートはツイートと異なり、人気のあるものが表示されるわけではありません。単なる多数決ではなく、「役に立つ」かどうかが基準となります。その際は、評価者が多様な視点に基づいているかどうかも考慮されます。とくに政治的な話題では意見が分かれがちですが、反対陣営の人からも「役に立つ」と評価されているノートが採用されます
  • 「Twitter」の運営チームは基本的にタッチしない:ノートは一般のツイートと同じく、投稿ルールの対象となります。報告すれば審査の対象となりますが、運営チームが関与するのはそこだけです。

 ノートが間違っていれば、ツイートの投稿者は抗議することができます。

 もちろん、これだけで質のよくないノートを付けられたり、誹謗・中傷……とまでいかずとも揚げ足取りに悪用される可能性がないとは言えません。しかし、海外で長期間テストされたおかげか滑り出しは上々のようで、最近の「Twitter」に導入されなかではもっとも評判のよい機能となっているようです。

 実際、「Twitter」を買収したイーロン・マスク氏のツイートに付いたファクトチェックノートが削除されないところを見ても、恣意性や党派性はあまり感じられず、「Twitter」が狙った通り「役に立つ」ノートが多いように見受けられます。筆者も「へぇ、そうだったのか」と感じることしばしばで、評価の高いコミュニティノートに目を通すのは楽しくもありますね。

イーロン・マスク氏のツイートに付いたファクトチェックノート

 そこでお勧めしたいのが、「@CommunityNotes」というアカウントです。

 このアカウントは「役に立った」ステータスが6時間にわたって維持されていて、なおかつ高い有用性スコア(0.45以上のインターセプトスコア)が付与されたツイートを紹介しており、質が担保されたノートに接することができます。

 ユリウス・カエサルが『ガリア戦記』で「人間は、自分が信じたいと望むことを喜んで信じるものである」(Libenter homines id, quod volunt, credunt.)と述べた通り、私たちはそうあってほしいと思うがあまり、それを現実に投影しがちです。他人の指摘は耳が痛いこともありますが、思い込みや誤解から自由になるためにも、ぜひ「コミュニティ ノート」を生かしていきたいものですね。