やじうまの杜

中古PCを買ったらNTT Comのメアドを要求された!? 珍しいトラブルが話題に

「X」経由で管理者に伝わり、無事解決

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「Windows Autopilot」で管理されたデバイスのOS初期セットアップ画面(OOBE)

 中古のWindowsノートPCを買ったのに、NTTコミュニケーションズのメールアドレスの入力を求められてOSのセットアップを完了することができない――そんなトラブルが「X」(旧称:Twitter)で話題になっています。

 この事象は、デバイスが「Windows Autopilot」と紐付けられてしまっているのが原因です。

 「Windows Autopilot」は、デバイスのハードウェア構成から生成したデバイスIDを登録し、OSの初回セットアップ画面でそれをサーバーと照合。合致していれば自社デバイスとみなし、業務に必要・適した状態へOSを自動でカスタマイズします。

「Windows Autopilot」の仕組み

 今回は中古で購入したデバイスが「Windows Autopilot」に登録されたままの状態であったため、電源の投入とインターネット接続でデバイスIDが「Windows Autopilot」サーバーと照合され、その結果「Windows Autopilot」画面へ自動で遷移してしまい、ユーザー側ではどうにもならなかった……ということのようですね。

 あまり耳にしないトラブルですが、近年はさまざまな理由から増えつつあるようで――たとえば調子の悪いデバイスを修理に出すと修理・整備済みの同等品(リファービッシュ品)と交換してもらえることがありますが、そういったデバイスも要するに中古品であるため、前世で「Windows Autopilot」のような自動構成ツールと紐づけられていると、同じことが起こりえます。

 対処方法は、以前使われていた企業で「Windows Autopilot」の登録を解除してもらうこと。今回の場合、「X」でバズったことをきっかけにNTTコミュニケーションズに伝わり、無事デバイスIDの削除が行われたようです。ちなみに、今回の件でNTTコミュニケーションズの社内データが漏洩してしまうといった可能性はないようです。

 「Windows Autopilot」にはこうした問題のほかにも、マザーボードなどを入れ替えた場合の対応が難しいといった問題を抱えているようです。いずれも運用する側が注意すべき問題ですが、デバイスの故障・清掃・廃棄の際にやるべきことを社員に教育し、いきわたらせるのは簡単ではありません。Microsoftのドキュメントがわかりにくかったり、探しにくいといった問題もあるでしょう。

 また、今回のようなトラブルが発生した場合、中古PCを販売した店はどのように対応すべきか、どこまで責任を負うべきかも今後は考えていかなければなりません。一人のユーザーとして今回のようなトラブルに遭遇した場合は、まずデバイスの元の所有者と連絡し、対応をお願いするべきでしょう。

 最後に老婆心ながら、中古でPCを購入した場合は、ルートキットなどのマルウェアが仕込まれていないかどうかなどにも注意しましょう。自分で解決できるか心配な場合は中古ではなく、信頼できる店舗で新品を買うのがおすすめです。