やじうまの杜
中古PCを買ったらNTT Comのメアドを要求された!? 珍しいトラブルが話題に
「X」経由で管理者に伝わり、無事解決
2024年1月22日 12:59
「やじうまの杜」では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
中古のWindowsノートPCを買ったのに、NTTコミュニケーションズのメールアドレスの入力を求められてOSのセットアップを完了することができない――そんなトラブルが「X」(旧称:Twitter)で話題になっています。
中古ノートパソコン買ってwindows 11のプロが入っててでも企業e-mailしか入れなくて事業者用のwindowsかもしれない🫠
— 工リト (@eritoeritoerito)January 19, 2024
Windows10のコンシュマー用をインストールしたがこんな画面が企業メールでしか入れない🫠
どうすれば入れる?🤔pic.twitter.com/q6Yip2CMYb
この事象は、デバイスが「Windows Autopilot」と紐付けられてしまっているのが原因です。
「Windows Autopilot」は、デバイスのハードウェア構成から生成したデバイスIDを登録し、OSの初回セットアップ画面でそれをサーバーと照合。合致していれば自社デバイスとみなし、業務に必要・適した状態へOSを自動でカスタマイズします。
今回は中古で購入したデバイスが「Windows Autopilot」に登録されたままの状態であったため、電源の投入とインターネット接続でデバイスIDが「Windows Autopilot」サーバーと照合され、その結果「Windows Autopilot」画面へ自動で遷移してしまい、ユーザー側ではどうにもならなかった……ということのようですね。
あまり耳にしないトラブルですが、近年はさまざまな理由から増えつつあるようで――たとえば調子の悪いデバイスを修理に出すと修理・整備済みの同等品(リファービッシュ品)と交換してもらえることがありますが、そういったデバイスも要するに中古品であるため、前世で「Windows Autopilot」のような自動構成ツールと紐づけられていると、同じことが起こりえます。
3. 修理を受けるデスクトップやノートPCで、再製品マザーボードが装着、通電、ネットワークに繋がると、過去に使用されていた組織のテナント名が表示される
— Yamato@Dell Technologies Tech Instructor (@lab8010)October 6, 2022
この症状は、本来なら再製品のマザーボードが最初に使われていた組織のAutopilot側で外せば出ないが、その対応が出来ていないと発生する。
対処方法は、以前使われていた企業で「Windows Autopilot」の登録を解除してもらうこと。今回の場合、「X」でバズったことをきっかけにNTTコミュニケーションズに伝わり、無事デバイスIDの削除が行われたようです。ちなみに、今回の件でNTTコミュニケーションズの社内データが漏洩してしまうといった可能性はないようです。
当社の利用終了パソコンを中古にて購入後、NTT Comの設定画面が表示される事象につきまして、対応が完了いたしました。
— ドコモビジネス|NTTコミュニケーションズ (@NTTCom_online)January 20, 2024
https://t.co/PrUVB0tlnk
該当のパソコンを購入された方には改めてお詫び申し上げますとともに、今後の再発防止に努めてまいります。https://t.co/HLCkpjzDsV
「Windows Autopilot」にはこうした問題のほかにも、マザーボードなどを入れ替えた場合の対応が難しいといった問題を抱えているようです。いずれも運用する側が注意すべき問題ですが、デバイスの故障・清掃・廃棄の際にやるべきことを社員に教育し、いきわたらせるのは簡単ではありません。Microsoftのドキュメントがわかりにくかったり、探しにくいといった問題もあるでしょう。
また、今回のようなトラブルが発生した場合、中古PCを販売した店はどのように対応すべきか、どこまで責任を負うべきかも今後は考えていかなければなりません。一人のユーザーとして今回のようなトラブルに遭遇した場合は、まずデバイスの元の所有者と連絡し、対応をお願いするべきでしょう。
最後に老婆心ながら、中古でPCを購入した場合は、ルートキットなどのマルウェアが仕込まれていないかどうかなどにも注意しましょう。自分で解決できるか心配な場合は中古ではなく、信頼できる店舗で新品を買うのがおすすめです。