え、こんな機能が? Windows 10のマイナー機能を活用しよう!
第3回
余ったタブレットPCを再利用してデジタルフォトフレームに? “キオスク モード”
非力なWindows RT 8.1マシンも専用端末としてならまだ使える!
2018年8月15日 11:00
余ったタブレットPCの再利用に役立つ?“キオスク モード”
実は“キオスク モード”というのは通称で、本来の名前は“割り当てられたアクセス(Assigned Access)”という。アカウントにアプリケーションを1つだけ割り当て、それだけを全画面に利用できるようにしたもので、公共の場に設置された検索・Web閲覧端末や、デジタルサイネージ(電子看板)として利用することを意図している。個人にはあまり縁のない機能かもしれないが、余ったタブレットをデジタルフォトフレーム代わりにしたりすることはできる。
“割り当てられたアクセス”はWindows 8.1時代から利用可能で、「設定」アプリの[アカウント]-[家族とその他のユーザー]セクションからセットアップできる。
まず[他のユーザーをこの PC に追加]ボタンで“割り当てられたアクセス”専用のアカウントをセットアップする。このアカウントはかならずしも“Microsoft アカウント”と紐づける必要はないようだ。とくに理由がなければ、ローカルアカウントとして作成するとよいだろう。また、余計な権限を付与することはセキュリティリスクを増大させかねない。“管理者”にはせず、“標準ユーザー”にとどめておいた方がよいだろう(既定では“標準ユーザー”になる)。
次に、“割り当てられたアクセスのセットアップ”というリンクをクリックして設定画面へ移動する。この画面では、“割り当てられたアクセス”で利用するアカウントとアプリが指定できる。アカウントには先ほど作成したものを指定しよう。アプリは“aboveLockScreen”という拡張機能をサポートした特殊なUWPアプリのみが選択できる。フライアウトの一覧から好みのものを選択しよう。
準備が完了したら、ユーザーを“割り当てられたアクセス”のアカウントに切り替える。先ほど選んだアプリが全画面表示されるはずだ。たとえば「カレンダー」アプリを選択すれば、ごみの収集日や国民の休日を表示するカレンダー端末として利用できる。「フォト」を選択して、スライドショー付きのフォトフレームとして利用してもよいだろう。また、第1回で紹介した「接続」アプリと組み合わせてワイヤレスディスプレイとして活用するのも面白いかもしれない。
なお、“割り当てられたアクセス”を終了したい場合は[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押せばよい(端末に[Windows]ロゴボタンがある場合は、それをすばやく5回押しても終了できる)。
“キオスク モード”の弱点
“キオスク モード”は“単機能の端末”をセットアップできる便利な機能だが、いくつかの弱点を抱えている。まず、新しくアカウントをセットアップする必要があるなど、利用までにいくつかの手間がかかる。今回紹介したような簡単なケースでは問題ないものの、本格的なセットアップのためには「Windows ADK」の知識が必要となるのもネックといえる。
なかでも最大の欠点は、「Windows 10 Home」エディションがサポートされていないことだろう。廉価版タブレットで「Windows 10 Pro」がインストールされていることはほぼ期待できないので、ほとんどの場合は差額を支払ってエディションをアップグレードしなければならないが……使わなくなったタブレットを活用するためだけにそれだけの出費を行うのは厳しい。
ただし、「Windows RT 8.1」では“キオスク モード”がサポートされている。使わなくなった「Surface 2」を活用するにはピッタリだ。
そのほかにも、「Microsoft Edge」がサポートされていないのも不便だ。“キオスク モード”のために他のブラウザーアプリを導入する必要がある。
「Windows 10 RS5」での改善
しかし、そうした問題点も今秋リリースされる「Windows 10 RS5」である程度改善される予定だ。
“割り当てられたアクセス”をより手軽にセットアップするためのウィザードが追加されるほか、「Microsoft Edge」をシングルタブ・マルチタブで割り当てる機能が導入されるとのことなので期待したい。