え、こんな機能が? Windows 10のマイナー機能を活用しよう!

第1回

Androidの画面をワイヤレスでWindowsに表示! “この PC へのプロジェクション”

“Miracast”を使ってスマホやタブレットの画面をミラーリング

Androidスマホ・タブレットの画面をPCに表示できる“この PC へのプロジェクション”

 「Windows 10」には実に多くの機能が搭載されているが、なかには毎日「Windows 10」を使っているようなユーザーでも知らないようなマイナーな機能も少なくない。その多くは専門的なものだが、一般のユーザーにも役立つ機能、ストレージの肥やしにしておくにはもったいないツールもいくつか存在する。

 本連載では、そのなかからいくつかをピックアップして紹介する。第1回となる今回は、“この PC へのプロジェクション”機能だ。わざわざサードパーティ製ツールを用意しなくても、簡単にスマホ・タブレットの画面をPCに表示させることができる。タブレットの操作手順を映してデスクトップでキャプチャーしたり、スマホアプリで視聴しているメディアをPCの大画面で楽しむことができる。余ったPCやタブレットをサブモニターとして利用することも可能だ。

スマホ・やタブレットの画面をPCに表示したい

 “この PC へのプロジェクション”は、利用しているPCを“Miracast(ミラキャスト)”のレシーバー(受信機)にしてしまう機能だ。“Miracast”はWi-Fi規格の1つで、2つのデバイスを1対1で接続し、ワイヤレスでディスプレイの転送を行う。ケーブルで接続する必要がない、規格に準拠した端末(PC、TV、Androidスマートフォン・タブレット、ゲーム機、ワイヤレスディスプレイアダプター)で幅広く利用できるといった点がメリットだ(残念ながらApple製デバイスではサポートされていない)。

 Windowsプラットフォームの場合、「Windows 8.1」以降で“Miracast”が標準サポートされている。“Miracast”対応端末にPCの画面を出力したり、他のPCやスマホ、タブレットの画面を同梱の「接続」アプリで表示する(レシーバーにする)ことが可能だ。

同梱の「接続」アプリ

 PCを“Miracast”レシーバーとして利用するには、まず「設定」アプリの[システム]-[この PC へのプロジェクション]セクションへアクセスする。“アクション センター”の[接続]コマンドをタップしてパネルを開き、下方にある“この PC へのプロジェクション”というリンクをたどると簡単にアクセスできるので覚えておくとよい。

“アクション センター”の[接続]コマンド
「設定」アプリの[システム]-[この PC へのプロジェクション]セクション

 次に、[この PC へのプロジェクション]セクションで“Miracast”を有効化する。初期設定では一番上のプルダウンが“常にオフ”になっているが、これをそれ以外の値に変更しよう。とりあえず試すだけなら“どこでも使える”にセットしておくとよいだろう。

一番上のプルダウンを“常にオフ”から他の値へ。とりあえず試すだけなら“どこでも使える”にセットしておくとよい

 続いて、送信側端末で接続処理を行う。

 Windows端末の場合は、「設定」アプリの[デバイス]-[Bluetooth とその他のデバイス]セクションを開き、レシーバーPCを追加・接続する。“アクション センター”の[接続]コマンドを利用してもよい。

「設定」アプリの[デバイス]-[Bluetooth とその他のデバイス]セクションを開き、レシーバーPCを追加・接続

 Androidスマートフォン・タブレットの場合は、端末によってやり方が異なるが、まずは[設定]画面で“Miracast”、“画面のキャスト”、“キャスト”といった項目を探してみよう。キャスト(送信)先にレシーバーPCがリストアップされているはずなので、タップして接続すればよい。

[設定]画面で“Miracast”、“画面のキャスト”、“キャスト”といった項目を探す
キャスト(送信)先にリストアップされたレシーバーPCを選択して接続

 なお、初期状態では接続先に“Google Cast(Chromecast)”端末しか一覧されないことがある。オプションを確認して、ワイヤレスディスプレイ(Miracast)も表示されるように設定を変更しよう。

 “Miracast”のワイヤレスディスプレイ接続が成功すると、[接続]アプリが全画面表示され、送信先デバイスのディスプレイが表示されるはずだ。

“Miracast”のワイヤレスディスプレイ接続が成功すると、[接続]アプリにリモートデバイスのディスプレイが表示される

おまけ:PCの画面をTVへ表示するには?

 ついでに、PCをレシーバーとして利用するのではなく、PCの画面を他の“Miracast”レシーバーへ出力する方法も紹介しておこう。“Miracast”レシーバーとしてPCを利用する方法はすでに解説した手順で行えるので、今回は手に入りやすい「Fire TV Stick」を“Miracast”レシーバーとして活用してみよう。

 「Fire TV Stick」を“Miracast”レシーバーにするにはは、設定画面の[ディスプレイとサウンド]セクションで[ディスプレイミラーリングを有効にする]というオプションを有効化する。すると接続の待機が始まるので、その間にPCから「Fire TV Stick」への接続を行えばよい。

「Fire TV Stick」の設定画面にある[ディスプレイとサウンド]セクションで[ディスプレイミラーリングを有効にする]というオプションを有効化して接続の待機モードに

 PCから「Fire TV Stick」へ接続する方法は、前述の手順とほぼ同じだ。「設定」アプリの[デバイス]-[Bluetooth とその他のデバイス]セクションを開き、「Fire TV Stick」を追加・接続すればよい。2回目からの接続は、“アクション センター”の[接続]コマンドを利用するのが簡単だ。

PCから「Fire TV Stick」へ接続する方法は、前述の手順とほぼ同じ

「Windows 10 RS5」での改善予定

 ちなみに、今秋リリースされる「Windows 10 RS5」では、この“プロジェクション”機能が大きく改善される予定だ。他のPCへプロジェクション接続を開始すると、リモートデスクトップ接続と似たツールバーが画面上部に表示されるようになった。

今秋リリースされる「Windows 10 RS5」では、この“プロジェクション”機能が大きく改善

 このツールバーでは接続先のPCや状態を確認できるほか、切断や再接続を行うことが可能。また、3つの接続モードが用意されており、用途によって最適な設定を簡単にチョイスすることができる。