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“表計算ソフト風”の簡単操作で、工程表をきめ細かく作成する本格派アプリ「工程さん」

どんなタイプの工程表もどんとこい! 対象期間が24日までの「週間工程表」なら無料

「工程さん」で作った工程表の例

表計算ソフトと同じ操作感をもつ、工程表専門アプリ

 「工程表」の管理、というと、特に小規模な事業者では「Microsoft Excel」などの表計算ソフトでやっていることが多いのではなかろうか。

 しかし、表計算ソフトの本来の役割はあくまでも“表計算”。カレンダーを作ったり、ガントチャートを作成したりすることも可能だが、けっしてそれ専用のアプリではない。そのため、工程表の作成・管理には不要な機能が多く、操作は必要以上に複雑で、無用なトラブルを招くことも少なくない。

「工程さん」の初期画面

 そこでお勧めしたいのが、本格的な工程表を作成できる「工程さん」だ。表計算ソフト同様の操作で、工程表を作成できるのが特徴で、週間工程表、月間工程表、ガントチャート、バーチャートといった工程表を簡単に作成できる。

 利用シーンは建設業や製造業、学校での予定表など、様々な状況が想定されており、対象期間が24日までの「週間工程表」ならライセンス登録をせずにフリーソフト版として使用できる。

 それ以上の期間の工程表を作る場合でも、税込み3,938円でダウンロード購入することでフル機能が利用できる。また、インストールから60日間は試用期間としてやはりフル機能が利用できる。用途によっては、とりあえず3週間までの工程表を作成するアプリと割り切って試してみるのもよいだろう。

「工程表アプリ」ならではの便利なレイアウト機能「印刷用」だけ考えても便利

 「工程さん」には「初期設定ウィザード」が備わっており、一般的な様式の工程表であれば簡単に作成できる。

 工程の期間と印刷の用紙サイズ、向きなどを選ぶだけでカレンダースタイルの表を出力できるようになっており、ちゃんと休日も赤く色分けされる。もちろん、平日を休日に設定したり、休日を作業日に変更するのも右クリックメニューから簡単に行える。

「初期設定ウィザード」で工程表の作成をサポート
一般的な様式の工程表であれば、工程の期間と印刷の用紙サイズ、向きなどを選ぶだけ
休日の指定。日付の右クリックメニューで切り替えたり、フォームで一括指定したりできる。挿入オブジェクトは実働日ベースで自動伸縮(スクリーンショットは合成)

 このウィザードによる初期設定とレイアウトはかなり便利で、極端な話、本ソフトを“(手書きで記入する)工程表を印刷するアプリ”と割り切り、「○〇建設工事」やハンコを押すスペースなどのヘッダーだけ設定して、そのままプリンターで出力してしまっても便利に使えるほどだ。現場ならば工程を紙ベースで管理できる方が都合のよいことも少なくない。印刷する期間も、ツールバーの[期間]、[日戻]、[日進]ボタンで簡単に調整できる。

最初は“工程表を印刷するアプリ”と割り切って使ってもよいかもしれない。その後、作図機能に慣れていけば、手書きではないキレイな工程表を作成できるだろう

 ヘッダーの編集は「初期設定ウィザード」で提案されるが、工程表の上部にあるハンドルをクリックして開閉することもできる。ここには「○〇建設工事」「〇〇作業所」といった工程表のタイトルともいうべき内容を書き込むが、所長や主任のハンコを押すスペースなども設けることができる。

 表計算ソフトでこうしたレイアウトを作るのは案外骨が折れるし、もし“職長のハンコも押せるようにしたい”といった仕様が加わると修正が面倒だが、「工程さん」はプルダウンメニューでレイアウトを選択するだけでおおむね対応できる。こうした心遣いも、専用の工程表アプリらしい点といえるだろう。

工程表の操作は表計算ソフトと同じ手軽さ

ヘッダーの編集は、工程表の上部にあるハンドルをクリックして開閉

 ヘッダーを除く工程表部分の操作は、基本的に表計算ソフトと同じだ。

 セルを選んで[F2]キーで文字を入力したり、オートシェイプの要領で実線や点線、バーなどを追加していけばよい。実線や点線はセルにピタッと吸い付く(スナップ)ので細かい位置調整は不要。終点を指定すれば付随テキストもシームレスに入力できる点は、表計算ソフトよりも快適だ。

画面左のバーでツールを選択して、さまざまな図形を挿入。スナップするのが使いやすい

 また、選択や挿入ツールは画面左のバーに、テキストやセルの書式は画面右のバーにまとめられているので、いわゆるオフィスアプリのようにリボンを切り替える手間がない。ちょっとした慣れは必要だが、マウスクリックでツールを選択、[Esc]キーでツールをリセットという基本操作を覚えてしまえば、快適に操作できるだろう。

「工程表アプリ」として細かい配慮も多数「休日を考慮したコピー&ペースト」や出来高曲線も

 そのほかにも、試用していて専用の工程表アプリらしいと感心したのは以下の点だ。

  • たとえば3日かかる作業をバーで表す場合、休日をまたいでコピー&ペーストすると自動で長さが4日間に調整される(実働日数換算でバーの長さが決定される)
    実働日数換算でバーの長さが決定される
  • 週間・月間などの単位で「特殊行」を挿入できる。たとえば、その週の安全スローガンなどを書いておける
  • 「特殊行」では縦書きモードが選べる。工程表によくある一番下の備考欄を簡単に実現できる
    「特殊行」では週間・月間のセル、追加の日付・曜日行、縦書きモードなどが選べる。工程表でよく使われる表現をカバー
  • 実線などのオブジェクトは1日単位でスナップ(ピタッと吸いつく)する。これは半日単位に切り替えることも可能
  • マイルストーンの設定や出来高曲線、進捗線(イナズマ線)などにも対応

 本ソフトならば、使い慣れた表計算ソフトと同様の操作感で週間工程表、月間工程表、ガントチャート、バーチャートといった工程表を簡単に作成できる。建設業や製造業はもちろん、一般の会社や学校でも活躍の場はあるのではないだろうか。価格も手ごろなので、気に入ったらライセンスを購入するとよい。

基礎杭打設のシンプルな工程表に出面管理を含めた例。工程表にこだわらず、さまざまな用途に活用できそうだ

 なお、本ソフトのライセンスは「パソコンが壊れるまでが有効期限」となっており、他のPCへライセンスを移すことはできないので注意したい。また、不具合には積極的に対応していくとのことだが、サポートを簡素化することで価格を低く抑えている面はあるので、その点は理解したうえで利用するのが良いだろう。また、Macでの利用(仮想PCなど)は禁止されている。