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「Firefox 62」が正式公開 ~「Firefox 52 ESR」とともにレガシーアドオン対応が終了

機能面では新しい「Shape Path Editor」などが目玉。9件の脆弱性を修正

「Firefox Quantum」v62.0

 Mozillaは9月5日(米国時間)、「Firefox 62」を正式公開した。「Firefox Quantum」ブランドでリリースされる6番目のメジャーリリースとなる本バージョンでは、表現力豊かなレイアウトを実現する“CSS Shapes”をサポート。開発ツールのCSSインスペクターでは新しい「Shape Path Editor」が利用できるようになった。また、「Firefox 52 ESR」のサポートが打ち切られ、レガシーアドオンをサポートする「Firefox」が終了。“addons.mozilla.org(AMO)”でレガシーアドオンの無効化が開始される。

 “CSS Shapes”は、スタイルシートで幾何学的な図形(シェイプ)を表現するための仕様。たとえばシェイプをフロート(float)させて“shape-outside:circle(50%);”などと設定することで、後続のコンテンツを円形に回り込ませることが可能。従来のボックススタイルのレイアウトでは実現できなかった印象的なレイアウトを実現できる。

“CSS Shapes”を活用したデザインの例(“Mozilla Hacks”より引用)

 「Firefox 62」の開発ツールでは、このシェイプをGUIで編集することも可能。複雑なシェイプをテキストだけで表現するのは難しいが、GUIがあればマウスで簡単に調整できて便利だ。詳細は公式ブログ“Mozilla Hacks”の記事を参照のこと。

開発ツールのCSSインスペクターでは新しい「Shape Path Editor」が利用できるように

 そのほかにも、OpenType可変フォントをサポート。わざわざスタイルごとに複数のフォントを用意しなくても、単一のフォントファイルをベースにCSSでさまざまなスタイルを表現できるようになった。また、本バージョンでは、開発ツールに新しい3ペインレイアウトが導入されている。こちらも併せて試していただきたい。

開発ツールに新しい3ペインレイアウトが導入

 一方、機能面では新規タブページ“Firefox Home”(about:home)が改善。トップサイトや“Pocket”ストーリー、ハイライトの行を最大4つまで設定できるようになった。「macOS 10.14 Mojave」のダークモードもサポートされているという。

“Firefox Home”が改善。トップサイトや“Pocket”ストーリー、ハイライトの行を最大4つまで設定できるように

 なお、本バージョンでは9件の脆弱性が修正されているので注意。深刻度の内訳はMozillaの基準で4段階中最も高い“最高”が1件、2番目に高い“高”が3件、3番目に高い“中”が2件、“低”が3件となっている。

 また、「Firefox 63」でSymantec発行のTLS証明書を無効化する準備として、設定画面(about:config)に証明書を無効化するオプション(security.pki.distrust_ca_policy)が追加されている。このオプションの値を“2”にすると、「Firefox 63」での挙動を再現することが可能。サイト運営者は事前にテストを行っておきたい。

 「Firefox」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトからダウンロード可能。Windows版は窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。すでにインストールされている場合は更新機能を利用してアップデートすることも可能。