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アニメ制作を強力に支援、AI彩色・編集機能を追加した「CLIP STUDIO PAINT」v1.8.4
「東映アニメーション デジタルタイムシート(TDTS)」を無償公開
2018年11月30日 16:37
(株)セルシスは11月29日、定番ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT」シリーズの最新版v1.8.4を公開した。今回のアップデートでは、アニメーション機能が大幅に強化。Windows向けのタイムシート編集ソフト「東映アニメーション デジタルタイムシート」を無償配布するなど、アニメーション制作の支援充実が図られた。また、機械学習(AI)の技術を活用した編集機能が新たに導入されている。
アニメーション機能の強化
[アニメーション]-[2Dカメラフォルダー]メニューを利用すると、アニメーションにカメラワークや音声(BGM・効果音)を付けることが可能。アニメーションのタイムラインに画像の変形(移動・回転・拡大)、不透明度の変更、キーフレーム補間といったアクションを追加して、さまざまな演出を行うことができる。
また、「CLIP STUDIO PAINT EX」にデジタルタイムシート情報(XDTS)ファイルの入出力機能が追加された。“タイムシート”とは、時間の経過に沿って演出やセリフのタイミング、撮影におけるカメラワーク、特殊効果の指定を書き込んだ指示書のことで、アニメーション制作の現場でよく使われている。タイムラインの情報を汎用フォーマットで出力し、それをそのままデジタルタイムシートとして他社製アプリケーションへ渡すことで、アニメーション制作のワークフローを効率化できる。
「東映アニメーション デジタルタイムシート(TDTS)」の無償公開
「TDTS」は東映アニメーションが開発したタイムシート編集ソフト。紙のタイムシートを踏襲したデザインが特徴で、馴染みのあるスタイルで「CLIP STUDIO PAINT EX」のタイムライン情報を編集できる。
「TDTS」は同社が運営するサイト“創作応援サイト CLIP STUDIO”から無償でダウンロード可能。Windows版のみの提供となるが、個人・法人、商用・非商用を問わず利用できる。
機械学習(AI)の技術を活用した編集機能
v1.8.4には、機械学習(AI)の技術を応用した編集機能がいくつか導入されている。
1つ目は、レイヤーに描画された線画に自動で色を塗る“自動彩色機能”だ。今回はAIに色使いを任せる“全自動彩色”と、適当にヒントとなる色を塗り、それをもとに彩色を行う“自動彩色”の2つが実装されており、先行プレビュー版として利用できる。彩色のためには画像を同社のサーバーへ送信する必要があるが、個人を特定できないようにプライバシーに配慮した扱いがなされるとのこと。また、著作権も作者本人に帰属し、セルシスは保有しない。
2つ目は、トーンを認識する機能だ。主線だけを残してトーンを消去したり、トーンをグレースケールに変換することが可能で、電子化の際にモアレが発生するのを回避したり、モノクロマンガの彩色を効率化するのに役立つという。
また、JPEGノイズ除去機能も追加された。トーン消去機能と組み合わせれば、カラーリング作業を大いに効率化できる。
「CLIP STUDIO PAINT」シリーズはWindows/Mac/iPadに対応しており、現在同社のWebサイトから体験版をダウンロード可能(iPad版はAppleの審査を待ってリリースされる予定)。Windows向けの体験版は窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。価格は「CLIP STUDIO PAINT PRO」で5,000円(税込み)、「CLIP STUDIO PAINT EX」で23,000円(税込み)。
ソフトウェア情報
- 「CLIP STUDIO PAINT PRO」
- 【著作権者】
- (株)セルシス
- 【対応OS】
- Windows 7/8.1/10
- 【ソフト種別】
- ダウンロード販売 5,000円(税込み)など
- 【バージョン】
- 1.8.4(18/11/29)