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「Visual Studio 2019」はパフォーマンスが大きく向上 ~Microsoftが詳細を解説

C++開発、起動時間、ソリューションの読み込み、デバッグなどで高速化に取り組む

公式ブログ“The Visual Studio Blog”

 「Visual Studio 2019」は、以前のバージョンと比べパフォーマンスが大きく向上しているという。5月30日(米国時間)に公開されたMicrosoftの公式ブログ“The Visual Studio Blog”の記事で、その詳細が解説されている。

 同社によると、「Visual Studio 2019」では以下の分野でパフォーマンスの改善が図られているとのこと。

  • Faster Visual Studio startup
  • Faster branch switching experience in Visual Studio
  • C++ open folder - time to IntelliSense improvements
  • Faster C++ compiler build times
  • Faster debug stepping
  • Debug extra large C++ codebases
  • Faster installation updates

 とくにC++言語の開発では、大規模プロジェクトでも省メモリで動作する新しいデバッガーや、プロジェクトを開いてすぐ利用できるようになった「IntelliSense」コード補完、高速化されたリンカーなどの恩恵で、これまでのバージョンよりも快適に開発できるようになっている。

高速化されたリンカー

 一方、C++開発者でなくても恩恵を受けられるパフォーマンス改善も多数導入されている。

 たとえば、「Visual Studio 2019」の更新プログラムはバックグラウンドでダウンロードされるようになった。ダウンロード処理はPCがアイドルのときだけ行われるので、開発者の作業を妨げることはない。ダウンロードが完了すると、インストールの準備が整ったことがデスクトップに通知される。ダウンロードやインストールの挙動も、オプション画面でコントロールできるようになった。

バックグラウンドでのダウンロード処理が完了すると、インストールの準備が整ったことがデスクトップに通知される

 また、ソリューションの読み込みも改善。プロジェクトをロードせずにソリューションを開く機能が追加され、大規模なソリューションをすばやく開けるようになった。“ソリューション フィルター ファイル”を利用すれば、特定のプロジェクトだけを読み込むよう指定することも可能だ。さらに「Visual Studio 2017」v15.8以降では「Git」のブランチ切り替えに伴うソリューションの読み込み処理が見直されており、以前のバージョンよりも快適に切り替え処理が行えるようになっているという。

プロジェクトをロードせずにソリューションを開く機能

 そのほかにも、「Visual Studio 2019」v16.1以降では非同期読み込みに対応しない拡張機能がブロックされるようになった。これにより、「Visual Studio」とソリューションの読み込み時間が短縮されている。