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Microsoft、「Visual Studio 2019」を一般公開 ~無償の“Community”エディションも

「Visual Studio 2017」にさらなる改良を加えて生産性を向上、コラボレーションも強化

「Microsoft Visual Studio Community 2019」

 米Microsoftは4月2日(現地時間)、統合開発環境「Visual Studio」の最新版「Visual Studio 2019」を一般公開した。Windows 7/8.1/10およびWindows Server 2012 R2/2016/2019以降に対応しており、現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。無償で利用できる“Community”エディションも用意されている。

 「Visual Studio 2019」では、「Visual Studio 2017」にさらなる改良を加えることで生産性の向上やコラボレーションの強化が図られた。

 たとえばユーザーインターフェイス面では、タイトルバーとメニューバーが結合され、作業領域の高さを最大限に取れるようになった。「Visual Studio」の標準テーマ“青”もブラッシュアップ。色覚多様性に配慮したハイコントラストなテーマも選択できる。新しいアプリケーションアイコンが採用され、利用している「Visual Studio」のバージョンが一目で判別できるようになったのもうれしい変更点だ(「Visual Studio 2019」は同じ環境に“リリース チャンネル”と“プレビュー チャンネル”を同居させることが可能)。

 また、「Visual Studio 2019」を起動すると新しいスタート画面が表示されるようになった。このスタート画面では、最近利用したプロジェクトとフォルダーへすばやくアクセスすることが可能。「Git」でコードをクローンしたり、“Azure DevOps”でホストされているリポジトリを参照するといった操作も手軽に行える。新しいプロジェクトを作成する際のテンプレート選択画面も改善された。

新しいスタート画面
新しいプロジェクトを作成する際のテンプレート選択画面も改善

 コーディング関連では、ナビゲーションやリファクタリング、コードクリーンアップなどの機能が強化された。AIによる支援を受けたコード補完機能「Visual Studio IntelliCode」や、コーディングセッションを他のメンバーと簡単にリアルタイム共有できる「Live Share」といった目玉機能のほかにも、[Ctrl]+[Shift]+[V]キーでクリップボードの履歴を参照する機能、メニュー・コマンド・オプション・インストール可能なコンポーネントを串刺し検索できる機能、現在開いているファイルのエラーや警告を通知する正常性インジケーターなど、改善は多岐にわたる。

 そのほかにも、「.NET Core 3.0」(年内正式リリース)やプレビュー版「C# 8.0」、「F# 4.6」などがサポートされた。機械学習のブームをうけ、「Python」環境の管理機能も追加されている。C++言語によるクロスプラットフォームアプリケーション開発、「Xamarin」を利用したモバイルアプリ開発、「Azure」サービスを利用したクラウド開発でも、それぞれ改善が施されている。