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フリーの仮想PCソフト「Oracle VM VirtualBox 6.1」が公開、新機能多数のメジャー更新

「Linux 5.4」をサポート。ユーザーインターフェイスも改善

「Oracle VM VirtualBox」v6.1.0

 米Oracleは12月11日(現地時間)、フリーの仮想PC作成・実行ソフト「Oracle VM VirtualBox」v6.1.0を公開した。昨年12月以来のメジャーアップデートとなる。

 「VirtualBox 6.1」では、“Oracle Cloud Infrastructure”との連携を強化。仮想マシンのインポート対応が実装されたほか、エクスポート対応が強化され、再アップロードせずに複数の仮想マシンを作成できるようになった。より効率的な“準仮想化(paravirtialized)”や自由にタグをつけてクラウドイメージを識別できるようにする機能もサポートされている。

 さらに、仮想化機能においてはIntel製CPU(第5世代、コードネーム“Broadwell”以降)でネストされたハードウェア仮想化がサポートされた。「VirtualBox 6.0」で非推奨となった古いスタイルの3D対応(VBoxVGA)が削除され、新しいスタイルの3D対応(VBoxSVGAおよびVMSVGA)が必須となったのも大きなトピックといえるだろう。EFIではAppleの“APFS”ファイルシステムからの起動や、「Mac OS X」で作成された非標準のSATA/NVMeブートデバイスパスがサポートされた。

 また、ユーザーインターフェイス面での改善も多岐にわたる。マネージャー画面の仮想マシン一覧が一新され、マシングループが見やすくなったほか、仮想マシンの検索機能が強化された。仮想マシンが多くなってリストのスクロールが必要になっても、[ツール]エントリが常に表示されるように“ピン留め”する機能が導入された。ステータスバーのCPUインジケーターに仮想マシンのCPU負荷が表示されるようになったほか、設定・詳細画面の改善も施されている。

ユーザーインターフェイス面での改善も多岐にわたる

 そのほかにも、ゲスト・ホストの双方で「Linux 5.4」がサポート。共有クリップボードでファイル転送が実装された。ファイル転送機能は今のどころWindows版でのみ利用可能で、実験的な機能として提供される(既定では無効)。

 「Oracle VM VirtualBox」は、デスクトップでx86ベースシステムの仮想マシンを複数作成・実行できるソフト。オープンソースで開発されており、Windows、Mac、Linux、Solarisが公式にサポートされている。なお、「VirtualBox 6」系統は64bitのホストOSでしか動作しないので注意。32bit版OSでは「VirtualBox 5.2」系統(2020年7月までサポート)を利用する必要がある。

ソフトウェア情報

「Oracle VM VirtualBox」Windows版
【著作権者】
Oracle Corporation and/or its affiliates
【対応OS】
64bit版のWindows 8.1/10およびWindows Server 2012/2012 R2/2016/2019
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
6.1.0(19/12/11)