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初の長期サポート版「Apache NetBeans 12.0」が正式リリース

「Java EE 8」Webアプリ開発や「PHP 7.4」をサポート。テーマのダークモード対応も

「Apache NetBeans 12.0」

 The Apache Software Foundationは6月9日(米国時間)、統合開発環境「Apache NetBeans」の最新版「Apache NetBeans 12.0」を正式公開した。Windows/Mac/Linuxなどに対応しており、現在財団の公式サイトから無償でダウンロード可能。

 「NetBeans」は、オープンソース・マルチプラットフォーム対応の統合開発環境(IDE)。もともとチェコのプラハで開始された学生プロジェクトだったが1999年、米Sun Microsystems社によって買収。翌2000年、オープンソース化された。Sunの買収後は米Oracleの管理下にあったが、2016年にApache財団へ寄付されている。2019年4月には“インキュベーター”を卒業し、トップレベルプロジェクトへの昇格を果たした。

 今回リリースされた「NetBeans 12.0」は、「NetBeans」がApache財団のトップレベルプロジェクトに昇格して以降、初めての長期サポート(LTS)版。「NetBeans」は四半期ごとにアップデートされているが、今後は毎年5月または6月にリリースされるメジャーバージョンがLTS版となる。マイナーアップデートで追加された新機能が十分にテストされているため、安定した運用を行いたい場合はLTS版の利用が推奨されている。

 「NetBeans 12.0」は「Java 14」「Java 13」で導入された最新のJava言語機能をサポートしたほか、「Maven」または「Gradle」ベースの「Java EE 8」Webアプリケーションを開発する機能が追加されたほか、「Payara」「WildFly」のサポートが組み込まれるなど、引き続きJava開発機能の強化が図られた。

 Java開発以外の機能では、「PHP 7.4」のサポートが目玉。v11.3で初めて導入された「TypeScript」エディターもそのまま統合されている。C/C++開発機能はv11.3でOracleからApacheへの寄贈が完了したが、ライセンスの変更や著作権関連の調整にまだしばらく時間を要するようだ。

 ユーザーインターフェイス関連では、Metal/NimbusテーマのダークモードがOracleからApacheへ寄贈されたほか、有志による新しいテーマ“FlatLaf”も追加された。Windows環境ではHiDPI対応が強化されている。

Metal/Nimbusテーマのダークモード
新しいテーマ“FlatLaf”