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Mozilla、アドオンを宣伝する仕組みをテスト。有料で“検証済み”バッジを付与
日本の開発者は今のところ対象外
2020年9月11日 14:42
Mozillaは9月9日(米国時間)、拡張機能ライブラリ“addons.mozilla.org”(AMO)で開発者がアドオンを宣伝する仕組みをテスト提供すると発表した。このパイロットプログラムは9月末から2020年11月末まで実施され、Mozillaのポリシーに準拠しているかどうかを審査・検証できるアドオンの数を増やすとともに、金銭を支払ってでも“AMO”での露出を高めたいと望む開発者にその機会を提供する。
Mozillaは昨年夏からセキュリティ、利便性および使い勝手のすべてにおいて最高の基準を満たしたアドオンをプロモートする仕組み“Recommended Extensions”プログラムを実施中だが、これは厳選に厳選を重ねたものであり、選ばれるアドオンはごく少数だ。「GeckoView」ベースの新しいAndroid版「Firefox」でサポートするアドオンの基準にもなっているが、数が少な過ぎてユーザーには不評だ。
また、“Recommended Extensions”プログラムはアドオンの利用状況も加味して選定されているため、クオリティに自信を持っているにもかかわらず新興のアドオンが選ばれないケースもあるだろう。とはいえ、選定プロセスは人間が行うため、コストやリソースの制約は無視できない。
そこで、“Promoted Add-ons”と呼ばれる新しい有償オプションが検討されている。現在のところ、このオプションには2つのレベルが設けられている。
1つ目は、“検証済み”バッジの付与だ。開発者はMozillaにセキュリティとポリシーコンプライアンスの審査を請求し、合格するとアドオンマネージャー(about:addons)上で“Verified”というラベルが表示されるようになる。“AMO”にリストアップされる場合も、注意ラベルが表示されなくなる。
2つ目は、追加料金を支払うことで“検証済み”アドオンを“AMO”のスポンサーセクションに掲出できるようにすることだ。“AMO”を訪れるユニークユーザーは毎月200万にも上るが、それらのユーザーの目の止まりやすいところにアドオンが表示される。
この試験プログラムは、参加者を絞った上で無償で提供されるとのこと。参加が決定した開発者には9月16日より通知が送られるので、登録しておくとよいだろう。“検証済み”バッジとホームページスポンサーシップの稼働は10月初めになる見込みだ。
ただし、当面は支払いの関係上、対応できるのは米国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、英国、マレーシア、シンガポールに拠点を置いている開発者のみとなる。非対応地域ではキャンセル待ちリストに登録し、対応の拡充を待つことになるだろう。また、審査リソースの関係で、試験プログラムに提出できるアドオンは12個までに制限されるほか、積極的にメンテナンスされており、一定のユーザーベースを抱えているアドオンが優先される。