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「Android Studio 4.1」が正式公開 ~エミュレーターがIDEと一体化、折り畳み端末のデバッグも可能

ネイティブメモリプロファイラー、スタンドアロンプロファイラーなどの新機能も

「Android Studio 4.1」

 米Googleは10月12日(現地時間)、Androidアプリの開発環境「Android Studio 4.1」を正式公開した。「Android Studio 4.1」では「IntelliJ IDEA 2020.1.4」プラットフォームへのアップデートに加え、マテリアルデザインコンポーネントの更新、アプリデータベースを照会できるデータベースインスペクターの追加、依存性注入フレームワーク「Dagger」「Hilt」を利用したプロジェクトのナビゲーションへの対応、「TensorFlow Lite」モデルのサポートなど、多くの新要素が導入されている。

 なかでも、注目は「Android Studio」の内部で直接「Android Emulator」を実行できるようになったことだ(既定で無効化)。エミュレーターが独立したウインドウではなく「Android Studio」に埋め込まれるため、開発環境のレイアウト管理がシンプルになる。エミュレーターとエディター間の移動をホットキーで移動できるようになるのもメリットと言えるだろう。

「Android Studio」の内部で直接「Android Emulator」を実行できるように

 また、エミュレーター関連では最近の5G端末やヒンジを持つ折りたたみデバイスがサポートされている点にも注目したい。開発アプリがデバイスのヒンジ角や姿勢の変化に応じてどのように反応するかをテストできる。実機へコードをデプロイする処理も改善されており、「Android 11」ならば初回以降のデプロイにおけるパフォーマンスが大きく向上。コードを書き直してデバッグを繰り返す操作がこれまで以上に快適となっている。

エミュレーターでは最近の5G端末やヒンジを持つ折りたたみデバイスがサポート

 そのほかにもネイティブメモリプロファイラーが導入され、「Android 10」以降が動作する物理デバイスにデプロイされたアプリでメモリの割り当て・解除を追跡し、システムヒープの利用状況をビジュアライズできるようになった。これはゲーム開発者やC++アプリ開発者がアプリのメモリ使用量を最適化するのに役立つ。

ネイティブメモリプロファイラー

 また、「Android Studio」とは別のウィンドウでプロファイラーを起動できるようになった。これは「Unity」や「Visual Studio」など、他の開発ツールでビルドされたAndroidゲームを最適化する際に便利だ。

 「Android Studio」はWindows/Mac/Linux/Chrome OSに対応しており、現在、Android開発者向けのサイト“Android Developers”から無償でダウンロード可能。Windows版「Android Studio」はWindows 7/8/10で利用できる。

ソフトウェア情報

「Android Studio」Windows向け安定版
【著作権者】
Google LLC
【対応OS】
64bit版を含むWindows 7/8/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
4.1(20/10/12)