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パスワード管理サービス「1Password」のLinuxアプリが正式版に

「Rust」で構築。ウィンドウマネージャーとの統合やOSの認証管理との連携もバッチリ

AgileBits、パスワード管理サービス「1Password」のLinux向けクライアントアプリを正式リリース

 加AgileBitsは5月18日(現地時間)、パスワード管理サービス「1Password」のLinux向けクライアントアプリを正式リリースした。「1Password」のLinuxクライアントは昨年10月からベータテストされていた。

 「1Password」にはWebブラウザー拡張機能も提供されているため、これまでもLinuxで「1Password」でパスワードを管理することはできた。しかし、ローカルアプリにもアカウントの作成やパスワードの入力を要求するものは少なくない。そのため、Linuxでもデスクトップでネイティブ動作する「1Password」クライアントを求める声が多く寄せられていたという。

 Linux版「1Password」アプリが対応するディストリビューションとストアは、以下の通り。

  • Debian
  • Ubuntu
  • CentOS
  • Fedora
  • Arch Linux
  • Red Hat Enterprise Linux
  • Snap store

 バックエンドと基礎ロジックの記述には最近「C++」を代替するシステム言語として注目されている「Rust」が用いられている。それ以外のツールもRustで統一されており、たとえば暗号化処理にはRust APIを備える「ring」を、UIには「React」とそのRustバインディング「Neon」が採用されている。

 「1Password」のLinuxアプリは「GNOME」や「KDE」といった好みのウィンドウマネージャーと統合されており、どの環境を用いていてもフィットする。ダークテーマへ自動で切換えたり、システム既定のWebブラウザーを開いてパスワードを入力したり、「X11」のクリップボードへパスワードをコピーして一定期間後にクリアすることも可能だ。

「GNOME」環境でダークテーマに切り替えた様子

 また、「GNOME Keyring」や「KDE Wallet」といったOSのパスワード管理システムにも対応。「1Password」のブラウザー拡張機能とデスクトップアプリは暗号化接続でリンクしており、片方でアンロックすればもう片方もアンロックされる。デバイスに搭載されている生体認証機能や「Yubikey」でシステムをロック解除している場合は、それをそのまま「1Password」でも利用できる。

「GNOME」環境での認証プロンプト