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Windows 11の右クリックメニュー・共有ダイアログはスッキリと使いやすく

パッケージ化されていないWin32からも利用可能

Windows 11の「エクスプローラー」の右クリックメニュー

 次期OS「Windows 11」では「エクスプローラー」の右クリックメニュー(コンテキストメニュー)や共有ダイアログがブラッシュアップされており、ファイル操作が大きく改善された。米Microsoftは7月19日(現地時間)、その詳細を公式ブログ「Windows Blog」で解説している。

 フォルダーやファイルの右クリックメニューは便利なシェル拡張で、あらかじめアプリを起動しておいてからファイルを読み込んで作業する方法に比べ、ファイル操作に必要なステップ数を大幅に削減できる。しかしその一方で、Windows 10までのOSにおいてはいくつかの問題が指摘されていた。

 まず、切り取り、コピー、貼り付け、削除、名前の変更といったよく使うコマンドが下の方にあり、アクセスしにくい。Windows XP以降、IContextMenu APIでアプリがコマンドを自由に登録できるようになったため、メニューコマンドが無計画に追加されがちなのも問題だ。メニューが長大になるだけでなく、必要なコマンドがあまり使わないコマンドの群れに埋もれ、見つけにくい。

 また、[開く](Open)や[プログラムから開く](Open with)といった、本来ならばひとまとめにすべきコマンドが乱立し、離れ離れになっているのも使いにくい。コマンドがアプリに属していないため、アプリが削除されたあとも残り、実行してもエラーになる「幽霊コマンド」ができたり、不安定なコマンドがクラッシュして「エクスプローラー」を道連れにするのもいただけない。

Windows 11の「エクスプローラー」の右クリックメニュー(左)と、レガシーメニュー(右)。OSのセットアップ直後だが、レガシーメニューは長大で、デザインが混乱している

 こうした問題点に対処するため、Windows 11では以下の改善が加えられている。

  • よく使うコマンドを上部に配置。アイコン化されているので省スペースだ
  • [開く](Open)や[プログラムから開く](Open with)コマンドを隣り合わせに配置
  • IExplorerCommand+アプリIDで右クリックメニューを拡張する仕組みにして、OSがちゃんとメニューを管理するように。パッケージ化されていないWin32アプリも「Sparse Manifests」と呼ばれる仕組みを利用すれば、パッケージ化アプリと同様にシェルを拡張できる。IExplorerCommand自体はWindows 7からあるAPIだ
  • クラウドストレージのファイルのためのコマンドは、[このデバイス上で常に保持する][空き領域を増やす]コマンドの下へサブメニューとしてグループ化
  • 動詞(verb)を複数持つアプリ(開く、編集するなど)をグループ化

 つまり、シンプルで使いやすく、安定して使える右クリックメニューになるというわけだ。とはいえ、従来からあるレガシーメニューがいきなり廃止されるわけではない。最下部の[その他のオプションを表示]コマンドや[Shift]+[F10]キー、キーボードのメニューキーなどを使えば、これまで通りアクセスできる。

Windows 11の共有ダイアログ

 一方、Windows 11では共有ダイアログも改善されている。新しいダイアログはヘッダー、[近距離共有]セクション、[連絡先にメールを送信]セクション、[アプリと共有]セクション、フッターの5層に整理されており、それぞれのセクションにはよく使う項目だけがリストアップされる。ヘッダーには共有するアイテムの数が表示され、フッターには近距離共有のステータスと設定画面へのリンクが設けられているのもよい。

 また、パッケージ化されていないWin32からも共有ダイアログが利用できるようになるのもポイント。従来はいわゆるUWPアプリしか共有ダイアログを扱えなかったが、そのほかにアプリにも開放されるため、より多くのアプリで[共有]コマンドの活用が広がるだろう。「Microsoft Edge」を介してインストールされたPWAも、「Web Share Target API」を実装していれば共有ダイアログでサポートされる。

Windows 10の共有ダイアログ