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統合開発環境「RAD Studio 11 Alexandria」が公開 ~Windows 11、Apple M1などに対応

コミュニティ版「Delphi」「C++Builder」は今のところ提供なし

Embarcadero、「RAD Studio 11 Alexandria」を公開

 米Embarcadero Technologiesは9月9日(現地時間)、統合開発環境「RAD Studio」の最新版「RAD Studio 11 Alexandria」の提供を開始した。「Delphi」「C++Builder」もアップデートされている。

 「RAD Studio 11 Alexandria」の目玉は、IDEでHigh DPI対応になったことだ。最新の高解像度ディスプレイでもフォントとアイコンがクッキリ表示され、快適に利用できるようになる。もちろん、VCL/FMXフォームデザイナーやコードエディターもHigh DPIをサポート。Windows向け「FireMonkey」もピクセルモデルではなく、他のプラットフォームと共通のDPモデルが採用され、高解像度環境でのアプリケーションレンダリングで劇的な改善を実感できる。

 また、設計時にVCLスタイルを確認できるようになったのも大きな改善点。スタイルの変更がUIにどのような影響を与えるのかを手軽にチェックできるので、モダンなUIをより迅速に設計できる。

 また、各プラットフォームへの対応も引き続き強化されている。

 Windows環境においては、Windows 11への対応がトピックとなる。とくにアプリケーションにWebコンテンツを埋め込む場合、「Internet Explorer」や「ActiveX」をサポートする従来のコントロールと、「Chromium」ベースの新しい「Edge」を用いる「WebView2」コントロールの両方をサポートするのは心強い。

 Mac環境では、Apple Silicon Mシリーズへの配置がサポートされた。Intel CPU向けのバイナリとApple M1向けのバイナリの両方をコンパイルしてユニバーサルパッケージを作成し、「Mac App Store」に申請することもできる。

 Android向けの改良は、「Android API 30」への対応が目玉。「Google Play Billing Library v3」や「AndroidX」ライブラリもサポートしており、収益化が可能なモバイルアプリを手軽に構築できる。

 なお、個人開発者や小規模組織向けに無償で提供されているコミュニティ版「Delphi」「C++Builder」は今のところ提供されていないようだ。現在利用可能なのは「10.4 Sydney」となっている。